長崎日大 vs 瓊浦 (写真=藤原裕久)

 後半に入ってもハードワークを落さず、好守を見せる瓊浦に対して、長崎日大が勝負に動いたのは後半11分。左サイドの道脇を下げて中村大翔、トップには白石快周に代えて加藤考太郎と、アタッカーを同時に交代。この同時交代からわずか1分後の後半47分、ゴール前で三浦圭翔からボールを受けた加藤が強烈なシュート。この思いきりの良い一撃は、瓊浦ゴールに突き刺さり、長崎日大がリードを奪うことに成功する。

 昨年夏に、CBから前線の守備要員としてFWにコンバートされた加藤の一撃で一気に流れをつかんだ長崎日大は、後半22分にも福田のパスを受けた山口大斗が追加点。2点差とされた瓊浦も、最大の武器であるカウンターをより徹底して反撃を狙っていくが、落ち着いた試合運びを見せる長崎日大は失点を許さず、逆に、後半28分に中村の一撃でダメ押しの3点目を奪取。

 「何かをしでかすタイプ。相手の流れを壊せるんだけど、ときにまだ、自分たちの流れも壊してしまうときがある。でも違いを作れるのはそういう選手」と亀田陽司監督が評する加藤の一撃で瓊浦の流れを断ち切った長崎日大は、そのまま試合を終了。前半の膠着戦の中で勝負のタイミングを見極め、交代策で後半に3点を奪った長崎日大が快勝でゲームを終え、国見の待つ準決勝へと歩を進めた。

(文・写真=藤原裕久)

▽令和2年度長崎県高等学校新人体育大会
令和2年度長崎県高等学校新人体育大会