熊本工の10番を背負うMF福田悠介(写真=井芹貴志)

 追う展開となったルーテル学院は、積極的に交代カードを切って攻勢に出るが、相手の時間帯を凌いだ熊本工は62分、左コーナーの跳ね返りからゴール前に送ったクロスをMF平岡聖奨が合わせ、リードを広げる。

 その後、システムも変えて反撃に出たルーテル学院は、76分にDF坂本光が押し込み1点差とし、終盤にかけても熊本工ゴールに迫るが、熊本工も5バックに変更して跳ね返し続け、同点弾は許さなかった。

「守るだけでなく、奪ったボールは大事にして、高いところから攻撃を作っていくことを目指していて、少しずつ攻撃も良くなってきた。練習していたセットプレーの形も出せましたし、久しぶりにベスト16の壁を突破できたので、これを継続していきたい」と堤監督。準々決勝は、鹿本との公立同士の対戦となる。

 一方、敗れたルーテル学院は、試合を通じて好機をうまく得点に結べなかった。「新チームになってまだ3試合目で実戦に慣れていない選手もいましたし、ミーティングでいくら話をしても、練習量がまだまだ足りない。選手権に出場するとどうしても仕上がりが遅くなるところはありますが、入学してくる1年生も合わせた3学年のチームづくりを、これからやっていきます」と、小野秀二郎監督は夏を見据えていた。

(文・写真=井芹貴志)

▽令和2年度熊本新人戦(新人選手権大会)
令和2年度熊本新人戦(新人選手権大会)