FC多摩がヴィッセル神戸U-15に逆転勝利で街クラブでは実に12年ぶりのベスト4
この日も2ゴールとFC多摩の攻撃を引っ張るエース貴田遼河
街クラブでは実に12年ぶりのベスト4進出だ。
12月20日、高円宮杯JFA第32回全日本U-15サッカー選手権大会の準々決勝が前橋総合運動公園などで行われ、FC多摩ジュニアユースがヴィッセル神戸U-15に2-1で勝利した。
2試合で8得点。圧倒的な攻撃力で勝ち上がってきたFC多摩だったが、この日は序盤から相手のパスワークに翻弄されてしまう。両SBが高い位置を取ってサイドハーフが中に入る変則的な神戸のシステムに苦戦。ボールの取りどころが定まらず、FC多摩らしい前線からのアグレッシブなプレスも鳴りを潜めた。すると、14分にCKの流れからCB阿江真嗣に泥臭く決められて先制を許してしまう。以降もエースの貴田遼河にボールを入れられず、最終ラインも高い位置まで押し上げられない。良さを出せないまま、1点ビハインドで前半を終えた。
しかし、FC多摩は劣勢にも動じなかった。迎えた後半。「1点だったら慌てることはない」と平林清志監督が感じていた通り、前半の停滞が嘘のようなラッシュを見せる。前線から複数の人数で相手CBにプレスを掛け、2度追いも厭わない。高い位置でボールを奪うと、貴田を経由して一気にサイドに展開。SBも攻撃に加わり、相手に圧を掛け続けた。その猛攻が実ったのは54分。山下悠斗の右クロスに貴田が反応。狡猾な動きで相手DFを出し抜くと、難なくゴールを奪って試合を振り出しに戻した。
同点に追い付くと、一気に流れはFC多摩へ。攻撃の手を緩めず、ロングスローも織り交ぜながらゴールを目指した。そして、64分。MF菅井友喜が左サイドからライナー性のボールを入れると、相手との駆け引きを制した貴田が右足でシュート。GK津崎瑛人も懸命に反応してボールをかき出したが、ゴールラインを割って逆転弾となった。
リードを奪った後も足を止めず、ボールに喰らい付く。最後まで運動量が落ちなかったFC多摩は初出場ながらベスト4進出を決めた。
▽第32回全日本U-15 サッカー選手権大会
第32回全日本U-15 サッカー選手権大会