瀬戸内イレブン(写真=森田将義)

 このまま米子北が逃げ切るかと思われたが、飲水明けの18分に再び試合が動いた。左から中央に入ったロングスローのこぼれ球にDF有吉勇人(2年)がいち早く反応。迷うことなく振り抜いた右足での一撃が、「自分でもびっくりした」というほど見事なコースを突いて、同点に追い付いた。終盤は4連続でCKを受けるなど米子北の圧力を受けたが、有吉やDF平山歩夢(2年)が気持ちを切らさず、跳ね返し続け、PK戦へと持ち込んだ。迎えたPK戦でも、5人で決着がつかなかったが、最後まで集中力を保った瀬戸内が勝利した。

 昨年は唯一、全国行きがかかった選手権予選の準々決勝で広島皆実と対戦し、涙を飲んだ。今年は選手同士の話し合いで県内3冠を目標にすると決めたが、コロナ禍の影響により、県の新人大会は中国新人への出場を決めるために準々決勝までの開催に。そのため、今大会にかける想いは強く主将のFW梁俊虎(2年)は「中国新人は絶対にとろうと目標を立ててやってきた」と口にする。「今年こそは広島県を制して、全国で戦えるチームを作っていきたい」(梁)との目標に近づくためにも、是が非でも一つ目のタイトルを掴み取る。

(文・写真=森田将義)

▽第13回中国高等学校サッカー新人大会
第13回中国高等学校サッカー新人大会