「練習すらできない子たちの為にも勝たないといけない」PK戦までもつれた激戦は大商学園に軍配!

PK戦で勝利した大商学園

 5月16日、令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選の3回戦が行われ、大商学園アサンプションに0-0(PK5-4)で勝利し4回戦に進出した。勝利した大商学園は4回戦で三国丘と対戦する。

 試合開始から大商学園が鋭い出足でアサンプションに圧力を掛ける。しかしアサンプションも相手の勢いにのまれる事無くしっかり対応。両チーム決定機を作れないまま前半を終える。

 後半に入り雨脚が強まる中、大商学園は7番MF鵜瀬周斗が持ち前のスピードを活かし相手DFラインの裏を狙いチャンスを作る。対するアサンプションは18番FW水谷圭吾が激しくチェックを受ける中、前線で起点を作り奮闘する。次第にアサンプションがペースを握り始めるも、大商学園DF陣が体を張ってゴールを守る。

 押されていた大商学園は61分、カウンターからドリブルでPA内まで持ち込んだMF鵜瀬が思い切り右足を振り抜くもシュートはGKの正面を突きセーブされてしまう。アサンプションも絶好の位置でFKを獲得し20番MF郷原健人が直接狙うがこれもゴールにはならず。両チーム譲らない戦いはスコアレスのまま前後半で決着がつかず勝負はPK戦へ。

 PK戦では大商学園の1番GK渡辺翔太が決められると敗戦の場面で気持ちのこもった横っ飛びでシュートをストップ。結局この2年生GKのスーパーセーブで勢いに乗った大商学園が5-4でPK戦を制し勝利した。

 勝利した大商学園の寺田尚義監督は「技術の高いアサンプションさんが相手で、押し込まれる時間帯も長かったしピンチもあったんですけど、そこは気持ちの部分で体を張って守り切る事が出来たと思います。今年はコロナの影響で練習の時間やスペースが限られてしまって、Aチームのメンバーはなんとか時間を確保できているんですけど、BチームCチームのメンバーは練習すらできない事もあって、本当にその子たちの為にも何が何でも勝たないといけない。そういう気持ちで勝ち切った試合かなと思います。試合が出来ない期間があった中で、試合が出来る楽しさを思い出してプレーしてくれたことが今日の選手たちのいいパフォーマンスに繋がったんじゃないかなと思います」と試合を振り返り、「まだまだ試合が出来ないメンバーがいる状況なので、大好きなサッカーを出来ているメンバーが学校の代表として気持ちを込めてやってもらいたいなと思っています」と次戦に向けて意気込みを語った。

 惜しくもPK戦での敗退となってしまったアサンプションの神田哲也監督は「相手の守備がしっかりしていてなかなかシュートまで持って行くことが出来なかった事で、70分間で勝負を決められなかったところが悔しい結果に繋がってしまったかなと思います。ボールが落ち着かない状況があって、ルーズボールの処理も雑に扱ってしまっていいボールが入らなかった。ただその中でも水谷中心に前の選手は収めるところはしっかり出来ていたところもあったし、そこに中盤の選手が関わっていくところも要所要所では見せれたかなと思います。立ち上がりからボールを失う回数を減らすことが出来ればもう少しペースを作れたのかなと思います」と試合を振り返った。

(文・写真=会田健司)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選