仙台育英がプリンスリーグ初戦で白星!帝京安積をシャットアウト
仙台育英MF島野怜(写真左)
高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2021東北の第8節が行われ、仙台育英と帝京安積が対戦。前半22分にマークしたMF島野怜(3年)の先制点を皮切りに3点を奪った仙台育英が快勝した。
4月5日から宮城県にまん延防止等重点措置が適用されたため、対外試合が禁止となっていた仙台育英にとっては、この日がプリンスリーグの初戦。島野が「対外試合ができなくて楽しみにしていた分、みんな全力で張り切ってプレーできた」と振り返った通り、待ち焦がれた舞台にモチベーション高く挑んだ仙台育英が序盤から、攻勢を仕掛けた。
後方でボールを動かしながら積極的に相手DFの背後やサイドを狙う中、存在感を放ったのは「持ち味は両足のキックやスピード。今日はロングボールやサイドチェンジで持ち味が出せていた」と話すMF明石海月(3年)。思い切りの良い縦突破を繰り返しとカットインからの左足クロスで見せ場を作った。7分のチャンスは、明石の右クロスから。中の選手と合わず、ファーに流れたところをMF山本柾矢(2年)がボレーで合わせたが、枠の外。21分には、明石が倒されて得たFKを自らが狙ったが、枠を捉えることができない。
前半は押し気味で試合を進めながらも、「公式戦となると紅白戦とは違う状況なので、慌ててミスが多かった」(FW佐藤遼)ため均衡が崩れるまでに至らなかったが、22分には待望の今季初ゴールが生まれた。右サイドを突破した明石のクロスは中央と合わず、エンドラインを割りかけたが、ファーの山本がマイボールにすると、後方に下げてDF市川怜生(3年)がゴール前へ。ゴール前に低く入ったボールを「サイドバックがフリーで持った瞬間に中に入っていけると思い、飛び込んだ」と振り返る島野が合わせて、仙台育英が先制した。
「結果でチームに貢献できればと思っていた」と振り返る主将の一撃はチームにとって大きかった。以降は、城福敬監督の「意気込んでいる分、シュートをふかしたりしたけど、点が入ったら楽になるかなと思っていた」という読み通り、攻撃の勢いが加速していく。40分には左CKをファーのDF松井大翔(3年)がヘディングで折り返し、最後は後方から飛び込んだ佐藤が豪快に決め、2点差で前半を終えた。
仙台育英 vs 帝京安積(写真=森田将義)
前半は個人での仕掛けが目立った仙台育英だが、後半に入ると疲れを考慮し、高い位置でのボール回しを増やした攻撃にシフトチェンジ。後半16分にはゴール前に落ちた左CKのこぼれ球を粘って繋ぎ、最後は途中出場のFW石川翔大(2年)が3点目をマークした。
苦しい展開を強いられた帝京安積も我慢強く守備を続けながら、エースのFW横塚翼(2年)を起点にチャンスを伺った。後半は暑さのため運動量が落ちた仙台育英のゴール前まで迫る場面も見られたが、バイタルエリアでは仕事をさせてもらえず無得点。小田晃監督は「仙台育英さんのやりたいことをやらせないようにしながら、自分たちの攻撃に繋げていこうというゲームプランで入った。ただ、シュートまで持ち込まれたり、やりたいことをやらせないようにという部分が完璧ではなかった。何回か上手くいった場面もあったけど、そこから攻撃に移るのが難しかった」と振り返った。
試合はそのままタイムアップを迎え、仙台育英が3-0で勝利。佐藤は「最高に楽しかった」と笑みを浮かべつつ、「チームとしてはもっと点が獲れたと思う」と課題を口にした。この日、3得点を奪った攻撃陣の充実度を改めて感じる一方、無失点で終えた守備の出来も一定以上。スタートでの出遅れを感じさせない試合展開は、全国での活躍に期待を抱かせるものだった。
(文・写真=森田将義)
▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 東北
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 東北