強豪校同士の対決は予想外の大差!前橋育英が7発快勝

前橋育英 vs 矢板中央(写真=松尾祐希)

 強豪校同士の対決は予想外の大差が付いた。

 4月3日、高円宮杯U-18プリンスリーグ関東が開幕し、前橋育英はホームの前橋育英高校高崎グラウンドで矢板中央と対戦。開始早々に先制点を許した前橋育英は前半だけで3得点を奪って逆転すると、後半にも4得点を挙げた。終わってみれば、7-1の快勝。前橋育英が幸先の良いスタートを切った。

 前橋育英は序盤から安定感のある試合運びで相手を翻弄する。開始3分に主将・CB桑子流空(3年)がペナルティエリア内でハンドを犯してCB島崎勝也(3年)にPKを決められたものの、リードを許しても慌てずにボールを後ろから繋いでいく。ボランチの徳永涼(2年)、渡辺亮平(3年)が積極的に中盤でボールを受けると、相手の状況に応じてパスを散らす。また、効果的だったのが、両サイドハーフの位置取り。外にポジションを取りながら、機を見て中に入っていく流動的なポジショニングでボール回しに変化を加える。こうした動きがスペースを生み出し、前橋育英の攻撃に勢いを与えた。

 すると、15分にFW守屋練太郎(3年)の左クロスにFW鈴木楽維夢(3年)が飛び込んで試合を振り出しに戻す。以降も押し気味に進めると、35分に鈴木がボールを左サイドに持ち出す。そのまま左足を振り抜き、逆転ゴールを奪った。前半アディショナルタイムには守屋が加点。前半だけで3-1とし、ハーフタイムを迎えた。

 後半に入っても、試合は前橋育英のペース。相手が185cmのFW林廉斗(3年)を目掛けてロングボールを入れてきたが、桑子を軸に空中戦で競り負けない。出足の鋭い守備も健在でボールを拾うと、即座に前へ入れて攻撃に繋げていく。

 63分には渡辺のアシストから守屋が右足でネットを揺らすと、79分にも途中出場の小池直矢(2年)が右クロスに合わせて加点。小池は85分と89分にもゴールを奪い、30分に満たない時間でハットトリックを達成した。

前橋育英 vs 矢板中央(写真=松尾祐希)

 開幕戦を勝利で飾った前橋育英。試合後、山田耕介監督はチームの出来に一定の評価を与えた。

「守備ではロングスローやセットプレーも含め、相手のFWに競り勝って跳ね返してくれた。攻撃では(2列目の選手たちが)前にドライブして、食い付かせて剥がす。それが上手くできていた。インナーラップもうまく使えていて、サイドばかりになると相手はスライドをしなくていいからすごく楽になる。そういう変化を付けながら、攻撃を仕掛けられたと思う」

 開幕前、チームは各地のフェスティバルに参戦したものの、得点力不足を露呈して思い通りの結果を残せていなかった。しかし、開幕戦では見事に軌道修正し、7得点を奪ってみせたのは好材料。昨季は櫻井辰徳(ヴィッセル神戸)らを擁しながら、高校サッカー選手権では県大会の3回戦でライバル・桐生一に敗れた。先輩たちの涙は部員の目に焼き付いており、今季はそのリベンジに燃えているのは言うまでもない。半年前の悔しさを晴らすべく、リスタートを切った前橋育英。開幕戦の結果を受け、今後のどのような成長を遂げていくのか注目だ。

(文・写真=松尾祐希)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関東
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