プレミア昇格を目指す興國(2位)vs大阪桐蔭(4位)の上位対決は両チーム譲らずスコアレスドロー
この試合再三DFラインの裏を突いてチャンスを作った興國FW荒川永遠
高円宮杯 JFA U−18サッカープリンスリーグ2021関西の第10節が8月28日にJ-GREEN堺で行われ、首位履正社を追いかける2位興國(大阪)と4位大阪桐蔭の一戦は両者譲らずスコアレスドローとなった。この結果、暫定ながら興國は2位をキープし大阪桐蔭は3位に順位を上げた。
約1カ月の中断を挟みこの試合が後半戦初戦となったプリンスリーグ関西。中断期間、興國は金沢ユース大会に参加し優勝。更に神村学園や帝京長岡と強豪チームと練習試合を行い強化を行ってきた。
対する大阪桐蔭は福井で行われたインターハイに出場。帝京第三、関西学院を破り3回戦で静岡学園に敗れてしまったものの「インターハイで色んな他府県と全国大会の舞台で戦わせてもらって彼らも教訓を得た」(永野悦次郎監督)とチームとして一つ階段を上がってこのプリンスリーグに帰ってきた。
前回両者が顔を合わせた7月19日の第1節ではFW永長鷹虎の決勝ゴールで興國が1-0で勝利。しかしこの日はその永長がU-18日本代表候補に選出され不在。嬉しい悲鳴ともいえるが、プリンス5戦連発中のエースを欠いたことで興國は決定力の部分で厳しい戦いを強いられた。
右サイドを何度も駆け上がりクロスボールを送った大阪桐蔭DF朝山大輝
大阪桐蔭は「紅白戦をやるとどうしても真ん中真ん中に入ってきてしまうのでワイドに幅を取りながらうまくギャップを作れるように」(永野監督)と普段のワントップではなくMF奥野龍登を前に配置しツートップで挑んだ。
対する興國は「相手が陣形を変えてきても自分たちで対応できるように準備してきたので狙い通りの攻撃が出来ていた」(FW荒川永遠)と上手くこれに対応し試合を優勢に進める。「相手のサイドがタイトに来ることもわかっていたので、その裏を狙っていた」(荒川)と偽9番のポジションに入った7番FW荒川永遠が真ん中からサイドに流れて再三裏を狙った。
しかし、20分のボックスすぐ右外からのFKに合わせた13番DF坂本稀吏也の打点の高いヘディングはバーの上に外れ、35分にFW荒川がDFラインの裏を抜けだして放ったシュートもGKにセーブされてしまう。押されていた大阪桐蔭もここから盛り返す。38分、ゴールキックから細かくパスを繋ぎ逆サイドに展開。最後はボックス内右から10番FW大野陽平が左足で狙うもシュートはゴール右に外れてしまう。
スコアレスで迎えた後半も両チーム中々シュートまで行くことが出来ない展開が続く。60分に飲水タイムを挟むとここから大阪桐蔭が攻め込むが、11番FW溝口響が裏に抜け出したシーンも、MF奥野のパスで抜け出した16番FW中塚亮聖が決定機を迎えたシーンも、興國のGK岩瀬陽が前に出てこれを阻止。終盤になり大阪桐蔭は右サイドを5番DF朝山大輝が何度もオーバーラップしてクロスを上げるも最後まで興國のゴールをこじ開けることが出来ずタイムアップ。
結局スコアレスで終わり決定機も少ない試合となったが、プレミア昇格を狙うチーム同士の意地がぶつかり、強度の高い試合となった。大阪桐蔭は怪我で戦列を離れていたFW大野がようやく復帰し戦力が整った。興國はFW永長が初代表を経験し更にパワーアップして帰ってくる。プレミア昇格を目指す両チームの後半戦はここから始まる。
(文・写真=会田健司)
▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
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