高円宮杯U-18サッカーリーグプリンスリーグ関西は18と19日に第13節を実施。金光大阪と阪南大高の一戦は、FW石川己純(3年)のゴールによって、阪南大高が1-0で勝利した。

　強豪揃うプリンス関西で上位を争う力は伊達ではない。プレミアリーグへの復帰と夏に続いての全国大会出場を狙う阪南大高が、この日も力を発揮した。金光大阪の岩松哲也監督が、「ボールを拾う配置が悪かったのでポイントを作られ、背後に走られた」と述べたように、序盤から相手を上回る要因となったのはセカンドボールの部分。J1湘南内定のエースFW鈴木章斗(3年)を中心とした攻撃で相手エリアへと侵入。奪われても、「拾ったらチームが楽になるので意識している」(鈴木)とクリアボールを高い位置で回収し、二次攻撃を繰り出した。前半5分にはサイドチェンジから、右サイドのMF松本楓悟(3年)へと展開。ダイレクトで落としたボールを走り込んだ鈴木が、シュートに持ち込んだが、GKに阻まれた。22分には中盤でセカンドボールを拾った松本が右前方へと蹴り込み、走り込んだ鈴木がゴールを狙った。35分にも、二列目でボールを奪ったMF櫻井文陽(3年)がゴール前にパス。走り込んだFW石川己純(3年)がシュートを放ったが、GKに阻まれた。相手を押し込みながら、1点が遠い展開に対し、鈴木が「前半からラストパスが繋がっておけば…というチャンスはあった。決めきる力がまだまだ足りないと改めて感じた」と振り返れば、濱田豪監督も「前半のうちに1点獲っておかないとダメだった」と続ける。

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　後半に入ってからの阪南は、前半の勢いを失った。その理由について、濱田監督は「点は獲れなかったけど、ボールは拾えていたから修正が難しかった。後半は前半の攻め疲れが出た」と振り返る。一方、「自分たちがやりたいことがまったくできなかった。セカンドボールが拾えなかったし、拾ったとしてもドタバタしてボールを繋げなかった」(MF武仲勇海、3年)金光大阪は、後半に入って中盤での守備を修正。エネルギッシュに動く武中やMF佐野貴都(3年)を中心に攻める機会を増やした。一進一退の展開が続く中、後半31分にはGK宮前壱爽(3年)のクリアを受けた佐野がゴール前にパス。走り込んだFW大渕颯太(3年)がゴールを狙ったが、GKに阻まれた。

　その後も両者一点が奪えないまま試合が進んだが、45分にはPA右でボールを受けた鈴木が難しい体勢から強引にシュート。GKに阻まれたボールが、ゴール前に落ちると反応したのは、石川。絶好のチャンスに「緊張した」と振り返りながらも、「ボールが浮いていたし、ゴール前に相手も多かったので、とりあえず当てて良いコースを狙おうと思っていた」と落ち着いて打った一撃がゴールネットに突き刺さると、直後にタイムアップを迎えた。残りわずかでの失点に対し、岩松監督は「最後まで粘り強く戦わないと勝負できない。失点していては意味がない。最後に最後にストライカーが不利な状況でも、シュートに持ち込んでくる。ああいう選手がいるのと強い」とコメント。一方の濱田監督は「いくら打っても入らない日は、リーグ戦にある。それでも勝点3が獲れたのは大きい」と安堵の表情を浮かべた。

(文・写真＝森田将義)