オール3年生で挑んで勝利した京都橘イレブン
しかし先制したのは京都橘。38分、一発のロングボールで「背後はチャンスだと思っていて、最初に背後を取ることが出来て、何回も背後を狙いながら"いつかもう一回くるな"と思っていた」とFW木原が抜け出すと、「ずっと"ループが行けそうやな"という感覚があったので、ドリブルは大きくなってしまったけど最後はGKを見てとっさに冷静に判断出来た」と今度は浮かしてゴール左にしっかり決めた。エースのゴールで先制した京都橘はDFラインも気迫のこもったプレーで踏ん張り、前半を1-0で終える。
後半に入ると同点に追い付きたい阪南大高が攻め、京都橘もカウンターからチャンスを作る。阪南大高はMF田中や後半から出場の10番MF中村元軌がボールを持ち運び、13番FW辻翔真やMF稲葉がシュートを放つも、相手を崩し切れずに時間が経過していく。すると試合終盤の88分、京都橘は9番MF芳賀海斗が右サイド深い位置からドリブル突破でボックスに侵入。ゴール前にボールをいれると、「今日は何が何でも(ゴールを)取りたかった」と飛び込んだ2番DF前山仁がGKの前で合わせダメ押しゴール。
このDF前山の試合を決定付けるゴールに、京都橘イレブンはベンチメンバーと喜びを爆発させた。試合はそのまま2-0で京都橘が勝利。最終的に6位と順調とは言えないシーズンだったが、プリンス残留も決めラスト2戦をオール3年生で戦い、1勝1分けと結果も残した。来年から浦和レッズ入団が決まっているFW木原励にとっても今年は難しいシーズンとなったが、木原らしい抜け出しからのゴールでプリンス最終戦を締めくくった。
一方、敗れた阪南大高は大事なプレミア昇格プレーオフや選手権全国大会前最後の公式戦で、出場機会の少ない選手たちも使いながら調整した形だ。怪我や累積も考慮し、この日欠場となったエースのFW鈴木章斗は、最終節で興國のMF永長鷹虎に並ばれるも、12ゴールで得点王を獲得。チームの総得点の1/3を決めたFW鈴木はプレーオフ進出に大きく貢献した。プリンスを戦い終えた阪南大高はプレミア復帰を目指し、プレーオフが行われる広島に乗り込む。
(文・写真=会田健司)
▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
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