青森山田が高体連のライバルを下し、開幕6連勝

流通経済大柏 vs 青森山田

 勝負強さを見せた青森山田が高体連のライバルを下し、開幕6連勝を飾った。

 5月16日、U-18高円宮杯プレミアリーグEASTの6節が各地で行われ、青森山田はアウェーで流経大柏と対戦。前半は相手の堅守を崩せなかったが、後半に3ゴールを奪って勝点3を手にした。

 青森山田はU-18日本代表でプロ注目のMF松木玖生(3年)や宇野禅斗(3年)を軸に序盤から優勢に試合を進める。松木が中盤から前線にボールを運ぶと、FW名須川真光(3年)、両サイドハーフの田澤夢積(3年)、藤森颯太(3年)らが個の力で局面を打開。守っても宇野が中盤の底で睨みを効かせる。素早く相手に寄せてボールを奪い、ルーズボールにも素早く反応して相手に渡さない。

10分には松木のサイドチェンジを受けた田澤が単騎で侵入し、右足でゴールを狙う。17分にもFW渡邊星来(3年)が狭い局面を突破し、シュートを放つ。いずれも得点にはならなかったが、個人技とフィジカルの強さを生かしたダイナミックな攻撃で相手ゴールを脅かした。

 しかし、前半20分過ぎの飲水タイムを境に流れが一変する。中盤でボールを繋がれると、サイドを抉られてゴール前に侵入されるシーンが増加。27分にはFW石川裕雅(3年)に左サイドを打開され、ゴールを脅かされる。さらに42分には石川が左サイドからマイナスのボールをゴール前に入れられ、MF小林恭太(3年)にボールが渡る。だが、ここは身体を張った守りで跳ね返し、相手に得点を与えない。中盤以降は相手に主導権を握られる展開となったが、0-0で前半を折り返した。

 迎えた後半。青森山田は再び攻勢を仕掛け、主導権を握る。鋭い出足で相手の自由を奪うと、素早くサイドに展開して攻撃を仕掛けていく。すると、49分だ。右サイドを突破した藤森がゴール前にクロスを供給。このボールに田澤が合わせ、開始早々に先制点を奪った。

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 これで勢いに乗った青森山田は一気に畳み掛ける。松木や宇野を軸に相手陣内へボールを運んでいき、相手陣内でプレーする時間を増やす。すると、64分に最終ラインの背後に飛び出した渡邊がGKデューフ・エマニエル・凛太朗(2年)に倒されてPKを獲得。これを松木が冷静に決め、さらにリードを広げた。2-0とした青森山田は以降も攻守で集中力を切らさず、相手を圧倒。80分には松木の左CKからCB丸山大和(3年)が頭で合わせ、勝負を決める3点目を奪った。

 6戦全勝で23得点・1失点。圧倒的な成績で青森山田は首位をキープしているが、黒田剛監督は現在の結果に慢心するつもりはないという。

 「4節が終わった時点でデータも揃い、相手に分析されて相手により警戒される。今までは跳ね除けてきたけど、前節の大宮戦はやっぱり難しいゲームになった。なので、6節の流経大柏戦から『新しい青森山田を作ろう』と選手に声をかけていた」

 いかなる状況でも向上心を持って、さらなる高みを目指す――。そうした姿勢が流経大戦の結果に現れた。2年ぶりのU-18高円宮杯プレミアリーグ制覇に向け、ここからどこまで連勝を伸ばすのか。心身ともに充実する青森山田が今後のどのような戦いを見せるのか注目だ。

(文・写真=松尾祐希)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2021 EAST
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