市立船橋、押し込む時間帯もあるも後半に喫した失点を取り返せず0−1で横浜F・マリノスユースに敗戦
市立船橋 vs 横浜F・マリノスユース
10月10日、U-18高円宮杯プレミアリーグEASTの15節が各地で行われた。9位の市立船橋はホームで横浜F.マリノスユースと対戦。押し込む時間帯もあったが、後半に喫した失点を取り返せず0−1で敗れた。
再開初戦となった前節のFC東京U-18戦はリードを守り切れず、終盤の失点で勝ち点1を得るに留まった。その市立船橋にとって、今節は残留を目指す上で落とせない一戦。その想いは随所にプレーで見られ、立ち上がりからアグレッシブな守備と鋭いショートカウンターで主導権を握る。
2トップの一角に入った郡司璃来(1年)と坪谷至祐(3年)が前線から相手DFにプレッシャーをかけると、中盤の選手が呼応して連動した守りでボールを奪取。しかし、奪った後に思うようにボールを繋げず、ゴール前に良い形で侵入できない。時間の経過とともにサイドから崩されるようになり、自陣で耐える時間が増加。34分にはキャプテン・MF山根陸(3年)の右クロスからFW内野航太郎(2年)に強烈なヘッドを見舞われるなど、相手の勢いに押された状況で前半を終えた。
市立船橋 vs 横浜F・マリノスユース
迎えた後半。市立船橋は前半の問題点を修正し、再び前からプレスを掛けていく。郡司と坪谷が前から圧をかけると、中盤で太田隼剛(1年)らがボールを回収。前半は攻撃にうまく繋げられなかったが、後半はサイドハーフの平良碧規(3年)と武藤寛(3年)が周りのサポートを受けながら局面を打開していく。47分にはショートカウンターから坪谷がシュートを放つと、57分にも決定機を獲得。高い位置でボールを奪うと、前でボールを受けた郡司がGKと1対1を迎える。しかし、これを決め切れず、以降も何度も迎えたチャンスをモノにできず時間だけが過ぎた。
流れを掴んだ市立船橋だったが、思わぬところから試合の流れを手放してしまう。64分に左サイドで相手を倒した左SB平間陸斗(3年)が2枚目イエローカードで退場処分となる。落ち着かない状況のままそのFKを迎えると、そこから細かく繋がれてFW横溝広太(3年)にネットを揺らされた。
数的不利となった市立船橋はシステムを4−4−2から4-4-1に変更。バランスを整えて巻き返しを図る。しかし、前からプレスをかける選手が減った影響でボールを奪えず、相手に主導権を握られてしまう。セットプレーから何度かゴールを脅かしたが、ゴールを奪うまでは至らない。最後までビハインドを跳ね返せず、勝ち点を積み上げられなかった。
「良い流れが続いていた中で、点が取れなかったのはチームの課題。そこがうちの弱さ。退場者が出たり、システムを変更した時にうまく対応できない点も課題として出た」
試合後、試合運びと決定力不足を課題として挙げた波多秀吾監督。主導権を握った時間帯に先制点を奪えていれば、試合の結果は逆になっていても不思議ではなかっただけに悔いが残る。しかし、インターハイ予選で敗退した夏前の状況を考えれば、チームは大きく成長した。前期に横浜と対戦した際は防戦一方の展開から少ないチャンスを決め切ったが、今回は相手を押し込む時間帯も多かった。8月上旬から3週間ほど部活動ができなかった時期にチーム内でミーティングを重ねた成果もあり、チーム内で活発に議論しながら試合を進めていく姿が見られたのは好材料。きっかけさえ掴めれば、勝利を重ねる日もそう遠くない内容だった。9位以上が残留できるプレミアリーグ、これから始まる高校サッカー選手権までに、課題を修正できるか。名門復活に向け、順調にあゆみを進めているのは間違いない。
(文・写真=松尾祐希)
▽高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2021 EAST
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