MF西村日陽の一撃で均衡を崩した磐田、そのまま逃げ切り開幕戦勝利

京都サンガF.C. U-18 vs ジュビロ磐田U-18(写真=森田将義)

 高校年代最高峰の高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2021が3日と4日に開幕した。WESTは中止となったセレッソ大阪U-18大津の一戦を除く、4試合を開催。京都サンガF.C.東城陽グラウンドで行われた京都サンガF.C.U-18とジュビロ磐田U-18の試合は、MF西村日陽(3年)のゴールにより、磐田U-18が1-0で勝利した。

 プレミアリーグに関東勢が増えたため昨年度からWESTに転籍するはずだった磐田U-18だが、新型コロナウイルス拡大の影響により、リーグが中止となった。今年の3年生でプレミアを経験しているのは怪我で出場を回避した主将のMF藤原健介(3年)とDF小林亮太(3年)のみ。小林稔監督が「初戦でアウェイということもあり、選手は緊張しながらのプレーとしていた」と振り返る通り、前半は思い通りのプレーができなかった。

 サンガも怪我人が多く、下級生がスタメンを占めた影響もあり、ボールが落ち着かない場面が目立ったが、時間の経過と共にMF遠山悠希(3年)がセカンドボールを拾えるようになった。そこからサイドへと展開し、フィニッシュへと持ち込む場面も増えていった。前半38分にはFW平賀大空(2年)の右クロスは反対サイドへと流れたが、DF飯田陸斗(1年)が折り返し、FW島龍之介(2年)がシュート。44分には平賀とのコンビネーションから、PA左を抜け出した遠山がゴールを狙ったが、枠を捉えることができない。攻撃を牽引した遠山は、「試合前から1点が大事になってくると思っていた。勝負は後半だと思っていたけど、前半のうちからチャンスが結構あった。そこで決め切る力がなかったのが痛かった」と悔やんだ。

京都サンガF.C. U-18 vs ジュビロ磐田U-18(写真=森田将義)

 対する磐田は、前半について「やられそうな場面はあったけど後ろの選手がよく踏ん張ってくれた」(小林監督)と振り返った。「後半はセカンドボールが拾えるようになり、自分たちのやりたいサッカーができるようになった」(小林監督)後半は、攻撃の勢いが加速。その要因について、西村は「自分たちがWESTでプレーするのが初めての代。どういうチームなのか伺いながらやっていたので自分たちのペースに持って行くのが難しかったけど飲水終わり位に、『これならやれる。自信を持って戦おう』と声を掛け合った」と振り返った。

 セカンドボールの回収から素早く斜めのボールを入れて、右のMF上之平暉羅(3年)と左の西村へと展開。彼らの仕掛けに右SBの松田和輝(2年)と左SBの亀谷暁哉(2年)が絡み、厚みのある攻撃を繰り出した。後半13分には上之平が上げた右クロスが反対サイドに流れ、西村の下へ。粘り強くマイボールにしてクロスを上げなおし、FW辻颯人(3年)が頭で合わせたが、シュートは枠を捉えることができない。28分にも右サイドを抜けた西村のパスから、辻がゴールを狙ったが、DFに阻まれた。押し込みながらも1点が遠い展開となったが、35分には引き気味でボールを受け辻が相手と競り合いながらも左サイドに展開。途中出場のFW舩橋京汰(1年)が抜け出して、ゴール前にパスを入れた。PA左で反応したのは西村。冷静な切り返しでDFをかわすと、狙いすましたシュートがゴールネットを揺らした。

 「急に何かを求めても練習でやってきたことしか出させない。ゴールは、練習で求めてきた形」と小林監督が振り返る一撃で均衡を崩した磐田が、そのまま逃げ切り開幕戦を白星で飾った。

(文・写真=森田将義)

▽高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2021 WEST
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