U-15日本代表候補、鹿島アントラーズユースに1-3で敗北
U-15日本代表MF中野裕唯(写真左)
5月27日、2年後のU-17ワールドカップを目指すU-15日本代表候補が福島県のJヴィレッジスタジアムで鹿島アントラーズユースとトレーニングマッチを行い、1-3で敗れた。
U-15日本代表候補にとって、今合宿が立ち上げてから3度目の活動。今までは紅白戦などで強化を進めてきたが、今回は初めて対外試合を実施した。
鹿島アントラーズユースとの練習試合は30分×3本で開催。4-4-2の布陣で挑んだU-15日本代表候補は上級生主体で挑んできた相手に対し、立ち上がりから押し込まれてしまう。
CB坂本翔汰(1年/鹿島ユース)、GK後藤亘(中3/FC東京U-15深川)を軸にフィジカルで勝る相手に食らい付くが、相手の素早いプレスと身体の強さに苦戦してボールを前に運べない。守備でも柏木陽良(2年)、下田栄祐(2年)のダブルボランチに潰され、20分までにU-15日本代表候補はシュートすら放てなかった。
しかし、U-15日本代表候補は僅かなチャンスを確実に活かす。28分、FW名和田我空(中3/神村学園中)からパスを受けたMF中野裕唯(中3/FC東京U-15深川)がミドルゾーンから仕掛けると、ペナルティエリア手前から右足を振り抜く。「軸足が滑った」と本人が振り返ったが、ポストに当たってゴールへ。チームのファーストシュートが先制点となり、U-15日本代表候補が逆境を跳ね返してリードを奪った。
以降も相手に主導権を握られ、思うようにボールを繋げない。それでも粘り強く守り、U-15日本代表候補は1-0で1本目を終えた。
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U-15日本代表候補 vs 鹿島アントラーズユース
迎えた2本目、U-15日本代表候補はメンバーを4名変更。CB山本虎(1年/青森山田)らがピッチに入り、巻き返しを図った。しかし、相手の勢いに押され、ギアが上がらない。FWワッド・モハメッド・サディキ(中3/柏U-15)らに良い形でパスが入らず、逆に中盤でボールを失って相手にサイドから崩される場面が目立った。すると、6分にMF小笠原聖真(中3)にサイドを崩され、馬目隼乃介(1年)に同点ゴールを決められてしまう。さらに12分にはゴール前で相手の攻撃を跳ね返せず、MF壱岐健斗(1年)に逆転ゴールを奪われた。
ビハインドを背負ったU-15日本代表候補は途中からピッチに入ったFW道脇豊(中3/熊本U-15)を起点に攻撃を仕掛ける。しかし、相手の背後を取っても競り負ける場面が多く、決定機には結び付かない。25分には道脇がゴール前で粘ってシュートを放ったが、体制を崩されて枠を捉えられなかった。
3本目に入っても相手に圧倒され、自陣で守る時間帯が続く。なんとか凌いでいたが、14分にCKからCB千葉颯斗(2年)に決められてさらにリードを広げられる。
最後まで懸命に戦ったものの、ビハインドを跳ね返せなかったU-15日本代表候補は1-3で敗北。試合後、廣山望監督は年上の相手に敗れた一戦を振り返り、「身体の差、スピードの差、考えるスピード、予測のスピード。そこで実際に剥がす時のスピードも含め、経験不足をさらされた」と話した。しかし、上のレベルを経験できた点は明るい材料で、コロナ禍で海外遠征が行えない現状を踏まえれば意味のあるゲームになったのは間違いない。
この敗北を選手たちが次にどう活かすのか。2年後の大舞台を目指すU-15日本代表候補が今後どのような成長を遂げていくのか注目だ。