GKの退場で10人の数的不利な状況を耐え、東海大札幌が4強に進出
東海大札幌が4強に進出(写真=有岡志信)
6月17日に令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)北海道予選の準々決勝が小樽市の望洋サッカー・ラグビー場などで行われ、東海大札幌が1-0で北照を下して4強進出を決めた。後半にGKを退場で欠く苦しい状況を耐えて逃げ切った。
前半は東海大札幌が高いボール支配率を誇りながらも、なかなか決定打を奪えない。エースのFW桂田侑和(3年)に複数のマークがつくなど、思い通りの攻撃展開ができない。前半のシュート数は、東海大札幌3本、北照1本。ただし、東海大札幌の守備陣は崩されておらず、中盤から組織的な守備が一定程度、機能していた。
試合が動いたのは、後半16分。左サイドで起点をつくったMF古川航大朗(3年)が、桂田にパス。高速ドリブルで相手DF2人を振り切った桂田が右足できっちりと決め、待望の先制点を奪取した。ただ、1点だけでは安全とはいえない。攻撃の手を緩めず、東海大札幌は2得点目を狙いにいった。結果としてこれが裏目に出てしまった。
積極的に攻撃を展開する東海大札幌に対し、北照も前掛かりに攻め込む。61分に北照のカウンターから、ロングボールが東海大札幌のペナルティーエリアの5~6メートル外のスペースに出された。GK野沢匡志(3年)が、1対1になりそうな局面で手を出してしまい、得点機会阻止の一発レッドで退場した。控えのGK村田悠輔(2年)が急きょ、出場してゴールマウスを守った。
北照 vs 東海大札幌(写真=有岡志信)
1人少ない10人となった東海大札幌は、10人全員で守備を固め、北照の攻撃をブロック。明確にシンプルに守備を固めるという意思統一が徹底され、カウンターを受けて危険なスペースを与えないよう中途半端に攻撃をしなかった。GK村田は「いつでも出場できる準備はしていた。サッカーは何が起きるか分からないので」と約10分間、ゴールマウスを死守して勝利のホイッスルを待ち続けた。
東海大札幌は、最終日18日の準決勝で旭川実を下すと、2011年以来10年ぶりのインターハイ出場が決まる。
(文・写真=有岡志信)
▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)北海道予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)北海道予選