2回戦屈指の好カード、浦和南vs市立浦和は浦和南に軍配
市立浦和vs浦和南(写真=河野正)
全国高校総体(インターハイ)の埼玉県予選は6月12日に2回戦13試合が行われ、シード校が初戦に臨んだ。プリンスリーグ関東参戦中の昌平をはじめ、関東高校大会代表の西武台と武南の3校は、13日の3回戦から登場する。
関東高校大会予選ベスト8の浦和南と市立浦和が顔を合わせた2回戦屈指の好カードは、浦和南が1-0で接戦を制し、3回戦で大宮南と対戦することになった。
昨季のレギュラーが4人先発した浦和南は、厳しいプレスと出足の良さで序盤から押し気味に試合を進めた。ボールを奪うと、CF三上倫空を狙ったロングキックで相手守備網の背後を奪いに出た。前半10分、主将のDF坪井優太が放った強烈なミドルシュートは、GKテイラー開の好セーブに阻止されたが、同22分に得意のセットプレーから先制した。宇山友貴の蹴った左CKを坪井がファーポストから頭で折り返すと、三上がヘディングで押し込んで決勝点を奪った。
井上喬介のロングスローも大きな武器で、正しい展開の読みができるボランチ伊藤北斗のパス出しからもチャンスをつくった。
浦和南の野崎正治監督は、「関東高校大会予選から戦力の大きな上積みはなく、この試合も褒められた内容ではないが、市立浦和を相手によくゼロで抑えたと思う。次も粘り強く戦いたい」と無失点勝利を評価し、次戦への意気込みを示した。
市立浦和vs浦和南(写真=河野正)
OBでもある野崎監督は、選手として第54、55回全国高校選手権で連覇を達成。監督就任9年目で、2018年にはインターハイと全国高校選手権にチームを導いた。
好人材を多数擁する市立浦和は、FW小松悠太が左右をえぐって好クロスを配給。主将の栗田幹大、金澤春輝の両アウトサイドも縦に鋭く進出して得点チャンスを狙ったものの、相手の忠実でタイトな守りに遭ってなかなかシュートにまで持ち込めなかった。
公式記録でのシュート数は、前半に小松が放った1本だけだった。GKを含め、守備ラインに昨季のレギュラーを3人抱える浦和南の堅陣を最後まで崩せず、無得点での敗退。目標だった10大会ぶりのインターハイ出場はならなかった。母校に赴任して3年目の大野恭平監督は、第75回全国高校選手権で8強入りした時の主将だ。
両校は6月26日、来季のプリンスリーグ関東昇格につながる県S1リーグで初対戦する。暫定の順位は市立浦和が3位で、浦和南が5位となっている。グラウンドはそろって人工芝に変わり、浦和南は17年3月、市立浦和はこの5月に完成。埼玉の公立高校で校庭が人工芝になったのは、この2校だけだ。
(文・写真=河野正)
▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選