走るサッカーを徹底して国見を押し込んだ長崎総科大附が2-0で勝利し決勝へ

長崎総科大附イレブン(写真=藤原裕久)

 6月10日、「令和3年度(第73回)長崎県高等学校総合体育大会サッカー競技」は準決勝の2試合を行い、第1試合で県新人戦・九州新人戦を優勝した国見と、その国見から王座奪還を狙う長崎総科大附が対戦。前半から走るサッカーを徹底して国見を押し込んだ長崎総科大附が、そのままの勢いで2得点を奪い決勝戦へと進出した。

 開始から走力を全開にして、長いボールとタイトなプレスで国見を押し込みにきた長崎総科大附。相手が強く出てくることを予測し、試合の序盤が肉弾戦になることも覚悟していたという国見だったが、長崎総科大附の勢いは予想以上にすさまじかった。まず前半8分に、右サイドからボールを持ち込んだ西岡紫音がDFをかわして角度のないところからシュートを決めて1-0。直後の11分にも再びロングボールに抜け出した西岡が、ボールをうまくおさめてからのシュートで追加点。わずか11分で2点差をつけられた国見は、すぐにDF山田純大を下げて高木佑介を投入し、守備の立て直しをはかるが、走力と勢いで勝る長崎総大附属がボールをもって攻める時間が続く。

【フォトギャラリー】国見vs長崎総科大附

対馬vs長崎総科大附(写真=藤原裕久)

 流れを変えたい国見は前半終了間際に温存していた得点源の本川瑠空、さらに後半頭から期待の1年生アタッカー中山葵を投入。さらに長崎総科大附のプレスの勢いが落ちてきたこともあり、後半からは国見がボールを回す時間帯が増加。徐々にチャンスも作るシーンも増えていく。しかし、長崎総科大附も途中出場の石山風吹の突破で反撃を継続。そのまま両校は互角の攻め合いが続いていくが、攻撃のスピードを落とさない長崎総大附属は、最後まで鋭いカウンターを狙い続けながら、国見に決定的なシーズンを作らせず2-0で試合を終了。

「前半に2失点したのが痛かった」
試合後、木藤健太監督がそう振り返ったとおり、国見は前半15分たたない内に2失点したことが大きく響いた。この2失点で、序盤のタイトな展開をしのぎ、後半に勝負をかけるというプランは崩れてしまった。一方の長崎総大附属は「裏に抜けるのが得意です。そこからシュートを打って決めることを狙っています」と語る2年生ストライカー西岡紫音の鋭いプレーが光った。何より前半のチャンスを着実に得点へ結び付ける、チームとしての手堅さが際立っていた。決めるべきシーンを決めきれずに敗れた県新人戦の教訓を生かした勝利と言えるだろう。敗戦を糧とし、悔しさを力に変えて、ノーシードから勝ち上がってきた長崎総科大附が、4大会ぶりの優勝へあと一つの位置へと迫ってきた。

(文・写真=藤原裕久)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)長崎予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)長崎予選