前半、試合を掌握したのは高川学園であった。8分、PA右角で直接FKを得ると、北のキックに対し複数選手が輪になって手をつなぎ回転してから散るという独創的なセットプレーから林晴己が頭で決めて先制。その後もポゼッションとカウンターを使い分けピッチ上を躍動。星稜は30分過ぎまでシュートすら放てなかった。

星稜イレブン(写真提供=オフィシャルサポート)

 ただ、全国屈指の強豪がこのままで終わるはずはなかった。星稜は31分、河合の40メートル超ロングスローから前田がこの試合初シュートを放つと得意のサイドアタックを起点に反撃。迎えた38分には右サイドで仕掛けた戸川のクロスを山崎が落とし、河合がボレーで左サイドネットに突き刺して同点。後半も勝ち越しを狙い高川学園を押し込む。

 しかし「我慢の試合と思っていた」(江本孝監督)高川学園は、そんな星稜の一瞬のスキを狙っていた。50分、右サイドからのクロスを中山がキープし桑原にヒールパス。予期せぬプレーに桑原が倒され獲得したPKを中山が決めて再び勝ち越し。73分に一度は井上の落としから途中出場のFW13山下陸(2年)に同点ゴールを喫したものの、77分にはGK徳吉のパントキックから林晴己が敵DF・GKの動きを見透かしての右足グラウンダーシュートで3対2。最後は79分、林晴己の落としを受けた中山が右足コントロールショットで林晴己と共に自身2点目を決めて4-2。優勝候補の一角を破った高川学園は2大会ぶりの選手権1勝を達成した。

 この日はゴールのたびに前日の開会式で選手宣誓を行ったDF13奥野奨太(3年)のキャプテンマークを掲げて喜びをあらわにした高川学園イレブン。大会直前に負った左ひざのケガで試合出場が厳しいキャプテンと目指す彼らの旅は、大晦日・岡山学芸館との2回戦へと続いていく。

 (文=寺下友徳)

▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権