先制ゴールを決めた静岡学園MF小泉龍之介(写真=小室功)

 持ち味のドリブルを駆使して、攻め立てる静岡学園だが、堅守を誇る近大和歌山に苦しめられた。簡単に飛び込まず、適切な距離感を保つ守備が徹底され、しかも時折繰り出される速攻が鋭く、1回戦で撃破した難敵・流経大柏に続き、大番狂わせの雰囲気を漂わせた。

「いちばん警戒していたのは相手のカウンター攻撃。真ん中からいってボールを(不用意に)取られると怖いので、こちらの攻撃が外、外になってしまったけれど、最終的に勝ちきったことは評価できる。守備の強いチームに対して、こじ開けられた経験は今後に生かされると思う」(静岡学園・川口修監督)

 相手がどんなに巨大な壁であろうと、自分たちの長所を生かし、勝機を見出そうとひたむきに挑んだ近大和歌山。一歩及ばなかったが、藪真啓監督は「一戦必勝を掲げ、選手たちはよくやってくれた。(こういう戦いを続けることで)自分たちだけではなく、和歌山のサッカー界全体の成長にも貢献できたかなと思う」と、前を向いた。

(文・写真=小室功)

▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権