途中出場のMF高足が2ゴール!前橋育英が鹿島学園を下し8強に名乗り!

2得点を挙げたFW24高足善(写真=矢島公彦)

 負傷交代したエースの穴を埋めたのは、2年生アタッカーだった。

 1月2日、第100回全国高校サッカー選手権の3回戦が行われ、前橋育英(群馬)は鹿島学園(茨城)と対戦。一度は同点に追い付かれたものの、途中出場のMF高足善(2年)がこの日2点目となるゴールを決めて勝利を手にした。

 前橋育英は序盤から主導権を握る。根津元輝徳永涼(ともに2年)のダブルボランチを起点にボールを展開。MF笠柳翼(3年)が陣取る左サイドは警戒されてうまく使えなかったが、右サイドのMF小池直矢(2年)、SB大竹駿(3年)が積極的にパスを受けて仕掛けていく。21分には右サイドに流れていたFW守屋練太郎(3年)がゴール前にクロスを供給。ファーサイドに走り込んだ笠柳が合わせられなかったものの、あわやゴールという場面を作り出す。以降も攻撃の手を緩めなかったが、前半のアディショナルタイムにアクシデントが起こる。今大会3ゴールを奪っている守屋が接触プレーで負傷交代となったのだ。突然の出来事にベンチでも代わりの準備ができていない。急遽投入された高足も「アップできない状況で入って、最初は何をして良いかわからなかった」と振り返るほどで、慌ただしい中で前半を終えた。

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 迎えた後半。そうした嫌なムードを断ち切ったのが、代わりに入った高足だった。序盤から持ち前の機動力を活かして前線を活性化。すると、57分だった。大竹の右クロスに高足が反応。瞬時に落下地点を予測して、鮮やかにヘディングシュートを突き刺したのだ。

 これでリズムを掴んだかに見えたが、直後の62分に一瞬の隙を突かれてしまう。左サイドのMF林結人(2年)が上げたクロスがDFに当たって、そのままゴールに吸い込まれた。

関東勢対決は前橋育英に軍配(写真=矢島公彦)

 アンラッキーな失点を喫し、試合を振り出しに戻された前橋育英。ここから再び攻勢に転じ、積極的にゴールを狙っていく。すると、終了間際の79分にまたしても高足が大仕事をやってのける。大竹の右クロスがファーサイドに抜けると、走り込んでいた高足が右足を一閃。土壇場で勝ち越し点を奪い、勝負に蹴りを付けた。

 2ゴールを挙げた高足の活躍に、山田耕介監督も賛辞を惜しまない。

 「善は途中出場から得点が取れる選手。どこにスペースがあるか、どこに落ちてくるか。それが狙える選手。ものすごく良い選手です」。

 三重との2回戦に続くゴールで、高足は今大会のラッキーボーイになりつつある。次なる相手はプレミアリーグWESTの大津。次戦でも高足が勝利に導くプレーを見せるのか注目だ。

(文=松尾祐希、写真=矢島公彦)

▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権