明暗を分けたPK9人目 中央学院が準々決勝に進出
PK戦を制した中央学院(写真=小室功)
試合はスコアレスのまま一進一退が続き、10分ハーフの延長を終えても決着しなかった。勝負の行方はPK戦にゆだねられた。
先にける中央学院の一人目がGKに止められ、千葉明徳の4人目もGKの好セーブにあい、4対4でサドンデスに突入。明暗を分けたのは9人目のキッカーだった。中央学院のPKが決まり、千葉明徳のそれはバーを越えた。
勝利の立役者のひとりは中央学院の1年生GK小舟凰雅だ。スタメン起用された先輩の鈴木蓮汰(3年)が負傷したため、急きょ後半からの登場となったが、チームのクリーンシートに貢献しただけではなく、PK戦では1本止めている。
中央学院vs千葉明徳(写真=小室功)
「いつ出てもいいように準備していた。高校に入って半年くらいですけど、公式戦を経験しているし、“自分ならできる”と気持ちを高めて臨みました。シュートを打たれそうなときは先輩たちがまずコースを消してくれたので、すごく守りやすかったです」(小舟)
これまでPKにはいい記憶がなく、「キッカーに対して早く動いてしまう傾向があって、実は苦手」とは小舟本人の弁。だが、勝ってみんなで喜んでいるシーンを思い浮かべ、ポジティブ思考でPK戦に臨んだ。体を倒しながらも残した足に当てて見事に1本セーブ。キャプテンの山宿雄陽(3年)は1年生GKの健闘をたたえた。
「お互いによさを消し合うような展開で、難しい試合になりましたけど、最後まで自分たちのサッカーを貫いたし、そういうなかでの失点ゼロなので、うれしいですね。どんな相手に対しても失点しなければ負けることはない。あとは、決定力。そこをしっかり受け止めて次の試合に向けて取り組んでいきたいです」(山宿)
ドリブル主体の独特な攻撃スタイルを標榜しながら堅守の構築にも力を注ぐ中央学院。決勝トーナメント2回戦で、キャプテンの黒瀬成虎(3年)を中心に攻守両面で粘り強く戦う千葉明徳を退けた。
目指すは県内2強――選手権常連の市立船橋、流通経済大柏の打倒だ。その挑戦権を得るためにも1戦、1戦、目の前の試合に集中する。
(文・写真=小室功)
▽第100回全国高校サッカー選手権千葉予選
第100回全国高校サッカー選手権千葉予選