帝京長岡が早々の2失点から4発逆転で決勝進出
決勝進出を決めた帝京長岡イレブン(写真=平野貴也)
第100回全国高校サッカー選手権新潟予選は、3日に五十公野公園陸上競技場で準決勝を行い、第2試合は、帝京長岡が4-2で日本文理を逆転で下し、決勝進出を決めた。帝京長岡は、2年連続全国ベスト4で、目標は初の全国制覇。主軸となっているMF三宅凌太郎(3年)は「日本一を目指してやって来ているけど、まずは新潟県を抜けないといけない。今年は令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)新潟予選でも悔しい思いをしたので、新潟を抜けるのが簡単じゃないという危機感は全員が持っていると思う。まずは、決勝を大事に戦っていけると思っている」と4日後に控える次戦に目を向けた。
好対照な特長を持つチーム同士の対戦で、それぞれのカラーが出た一戦だった。帝京長岡は、2018年度に全国8強、2019年、20年度に2年連続で全国4強と躍進を続けている注目チーム。19年度はMF谷内田哲平(栃木)、FW晴山岬(町田)、DF吉田晴稀(愛媛)のプロ内定3選手を擁し、巧みなビルドアップから機動力に富んだパスワークを披露して話題を呼んだ。今季も高円宮杯 JFA U-18 サッカープリンスリーグ 2021 北信越で優勝を決めており、DF松村晟怜(3年)は、負傷により戦線離脱中だが、来季から湘南に加入することが内定している。
対する日本文理は、フィジカル能力の高い選手をそろえ、高速サイドアタックを武器とする2017年度に当時2年生だった長身GK相澤ピーター コアミ(千葉)を擁して全国初出場を果たし、8強に進出する活躍を見せた。同年度にプリンスリーグ北信越に初参戦。翌年度に降格したが、今季は新潟県1部で優勝を飾っている。今季のチームも相澤の弟で身長196センチを誇るFW相澤デイビッド(3年)の高さなどフィジカルを武器とする。
試合の立ち上がりは、日本文理のペースだった。ロングパスで押し込むと、前半4分にMF河合匠(3年)が左足で距離のある直接FKをたたき込んで先制。さらに前半11分、DF齋藤優太(3年)のロングフィードを相澤が長身を生かしてヘディング。前に出てきたGKの頭上越しにゴールへ流し込み、早々に2点をリードした。しかし、帝京長岡はじっくりとサイドを起点に得意のコンビネーションアタックを繰り返し、何度もCKを獲得。前半37分、MF廣井蘭人(3年)が左足で蹴った低いCKに中央で三宅が飛び込み、ファーサイドで詰めたDF松本大地(3年)がゴールへプッシュ。1点を返して試合を折り返した。後半に入っても、帝京長岡が攻める展開が続き、後半9分に、右サイドで溜めを使ったワンツーからDF佐々木奈琉(3年)がクロスを送ると、途中出場のFW岡村空(2年)がフリーでヘディングシュートを決めて同点に追いついた。さらに後半18分、今度は中央の連係で突き崩すとFW渡辺裕人(3年)がファウルを受けてFKを獲得。これを渡辺が自ら決めて逆転に成功した。
日本文理もDF齋藤優を前線に上げるなど反撃を見せたが、帝京長岡はサイドアタックを緩めずに徹底。試合終了間際、再び右サイドからのクロスをFW松山北斗(2年)が決めてダメ押しの4点目。試合の立ち上がりこそ相手にペースを奪われたものの、古沢徹監督が「自分たちのサッカーをする時間がないということは、なくなってきた」と話した通り、地力を見せつけて、逆転勝利を収めた。決勝戦は、11月7日にデンカビッグスワンスタジアムで行われる。帝京長岡は、北越と対戦する。
(文・写真=平野貴也)
▽第100回全国高校サッカー選手権新潟予選
第100回全国高校サッカー選手権新潟予選