FW大田知輝が4発!9-0で作陽が笠岡に大勝

4ゴールを決めた作陽FW大田知輝(写真=森田将義)

 第100回全国高校サッカー選手権岡山予選は16日に決勝トーナメント1回戦を実施。笠岡と作陽のカードは、4得点を奪ったFW大田知輝(3年)の活躍もあり、9-0で作陽が大勝した。

 今年の作陽は、戦術理解度が高い選手が多数揃うのが強み。選手権予選の幕開けとなったこの日も時間帯と状況に応じて、攻撃スタイルを使い分ける巧みな戦い方で相手を圧倒した。

 試合序盤の狙いは、「誰をベースに攻撃を組み立てていくか」(酒井貴政監督)。テンポよく、ワンタッチ、ツータッチでボールを動かしながら、突破力に秀でた右のMF西村颯人(3年)と積極的なオーバーラップを繰り返したDF中井陸人(3年)を上手く使いながら、サイドを崩していく。ファーストチャンスが生まれたのは、試合開始30秒のこと。MF岸本桜右(3年)のパスから、高い位置をとった中井がPA左からゴール前にパス。ファーから走り込んだ西村がダイレクトで合わせた。このシュートは右ポストに嫌われたが、直後の1分には右SBのDF和泉佳州真(3年)が上げたクロスをゴール前でフリーとなっていた大田が豪快に決めた。

 幸先の良いスタートを切った作陽は、中井が「今日は自分たちがボールを持つ時間が多いっていうのは、分かっていた。その中でこれからの試合に向けて早くサイドにつけて、そこからの崩しや突破を増やそうと思っていました」と振り返る通り、良い状態で次戦を迎えるためにも攻撃の手を緩めない。前半10分には、MF西田達哉(3年)が上げた左CKをDF原田涼汰(3年)が頭で合わせて、2点目をマーク。13分と16分には、大田がハットトリックを達成するゴールを奪った。

 相手を引き寄せてから、サイドを変える攻撃もこの日は上手く機能。28分には、MF水本凪人(3年)の右クロスを、ファーの岸本が折り返し、大田がシュート。DFに当たったこぼれ球を自らが押し込んだ。30分には、右サイドの高い位置で失ったボールを和泉がすぐさま回収し、PA右外からゴール左隅へと叩き込んで、6-0で前半を終えた。

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笠岡 vs 作陽(写真=森田将義)

 後半に入ってから、センターライン付近でゆったりとパスを繋いだ。攻めあぐねているようにも見えたが、「意図的にああいう時間帯を作った」(酒井監督)。相手が前から奪いに来ないと判断すると、次々に交替カードを切りながら、再び攻撃のギアを上げて追加点を狙いに行った。

 印象的だったのは、「ポジショニングとか意識しつつ、前を向いたり、1回タメを作って、チームの流れを作ったりというのは自信があります」と話すMF井芹凌成(3年)の働き。後半から前線に入った井芹は、積極的に組み立てに関与するゼロトップとしてプレーし、2列目の飛び出しを促進した。後半32分には、その井芹のパスから途中出場のFW大東凌空(3年)がゴール。37分にも大東は、DF松尾心晴(2年)の低い右クロスをニアで合わせて、ゴールネットを揺らした。終了間際にも井芹の得点が生まれ、終わってみれば9-0のスコアで作陽が勝利した。酒井監督が「来週からの試合に向けて良い準備ができたかなと思います」と話した通り、ベスト8以降に繋がる勝利だったのは間違いない。

(文・写真=森田将義)

▽第100回全国高校サッカー選手権岡山予選
第100回全国高校サッカー選手権岡山予選