DF戸田峻平のゴールを守り切ったサガン鳥栖U-18がサンフレッチェ広島F.Cユースに勝利
サガン鳥栖U-18DF戸田峻平(写真=森田将義)
HiFA平和記念 2021 Balcom BMW CUP 広島ユースサッカーは10日に大会2日目を実施した。広島広域公園第一球技場で行われた第2試合では、 サンフレッチェ広島F.Cユースとサガン鳥栖U-18が対戦。後半16分に奪ったDF戸田峻平(3年)のゴールを守り切った鳥栖が勝利した。
プレミアリーグWESTに所属するチーム同士の一戦だが、前期での対戦は延期となったため、公式戦で戦うのは今年初めてだ。だが、1-0で勝利したシーズン前のサニックスカップで対戦するなど互いのスタイルは熟知している。広島は、ボールの支配率を高めるため、今シーズンのメインシステムである4-4-2ではなく、3-6-1でスタートした。
序盤は、狙い通りに主導権は握れず、鳥栖に持たれる展開を強いられたが、「ボールを持たれる時間は長かったけど、後ろの選手としては相手にやらせている感が強かった」(DF光廣健利、3年)。鳥栖の田中智宗監督も、「後ろではボールを持たせてもらえるけど、前に運べず手詰まりになっていた」と振り返ったように後ろで持たせつつ、2列目で奪い、サイドから見せ場を作った。
前半6分には、MF滝口晴斗(2年)の右クロスから、MF笠木優寿(2年)がシュート。12分には、MF高柳英二郎(3年)の右クロスから笠木がヘディングシュート。ゴール前にこぼれたボールを、MF藤野和樹(3年)が押し込んだが、相手に阻まれ、CKとなった。22分と37分にはDF香取潤(3年)と滝口のホットラインでシュートを打ったが、1点が奪えず。試合後の光廣は「ボールを奪ってから、ちゃんと繋げていなかった」と振り返った。【フォトギャラリー】サンフレッチェ広島F.Cユース vs サガン鳥栖U-18
サンフレッチェ広島F.Cユース vs サガン鳥栖U-18(写真=森田将義)
対する鳥栖は、前日に行われたトップチームの鹿島戦に出場したDF中野伸哉(3年)とMF福井太智(2年)が不在。MF坂井駿也(2年)も、U-17日本代表候補の一員として今大会に挑んでいるが、「日頃から監督に今いるメンバーがベストメンバーと言われている」(DF安藤寿岐、3年)。「色んな選手がいない中でも、“自分たちはできるんだぞ”というのしっかり見せて欲しい」という田中監督の後押しも受け、代わって出場機会を得た選手たちが上手くいかない状況を打開しようと奮闘を続けた。
思い切って前方向にパスをつけられなかった前半とは違い、思い切りよく上がるDF山本楓大(2年)らサイドを使える機会が増えた。また、MF増永龍平(3年)ら中盤も勇気を持って、縦につけられるようになった。また、広島が攻撃のギアを上げたのも追い風となり、「攻められる時間が増えたけど、カウンターからチャンスを作れるようにもなった」(田中監督)。試合が動いたのは、後半16分。左サイドを破ったMF鬼木健太(2年)のクロスから、FW木戸晴之輔(2年)がスライディングで放ったシュートがDFに当たって、CKを獲得。MF田口涼太(3年)が入れたボールを戸田が頭で合わせて、均衡を崩した。
残り10分を切ってからは、FW棚田遼(3年)を中心に広島が押し込んだが、「普段やらないアンカーをやらせてもらい、一個後ろに味方がいる頼もしさがあった。思い切って球際に行ったり、背中で引っ張ろうと思っていた」安藤を中心に粘り強く耐え凌ぎ、逃げ切りに成功。田中監督が「今年は失点が多いので、こうやってゼロで抑えられたのは収穫」と話す価値ある一勝を手にした。
(文・写真=森田将義)