後半に入っても前橋育英は攻撃の手を緩めない。59分に笠柳が負傷交代となったが、代わりに入った高足善(2年)が個人技で仕掛け、サイドからチャンスを演出。同じく途中交代でピッチに入ったFW池田風真(3年)も裏への抜け出しやポストプレーで起点を作り、70分には最終ラインの背後に飛び出した守屋が勝負を決定付ける4点目を奪った。

前橋育英 vs 仙台育英

 終わってみれば4-0の快勝。「仙台育英は一発でサイドチェンジを狙ってきて、そこから嫌なところにアーリークロスを入れてくる」と山田耕介監督が振り返った通り、序盤は相手のシンプルな攻めに苦戦を強いられた。しかし、早い段階で修正し、中盤で相手の起点を潰して主導権を掌握。攻守ともに安定感のある戦いを見せ、プリンスリーグ九州王者のV・ファーレン長崎U-18が待つ決勝進出を決めた。

 「本当にこの次が勝負」とは山田監督の言葉。過去4度の参入戦では2度決勝に進んだが、いずれも敗れている。最後に参入戦に挑んだ2017年度は決勝でジュビロ磐田U-18にPK負け。飯島陸(法政大4年、甲府入団内定)、角田涼太朗(横浜Fマリノス)らを擁しながら、またしても昇格の権利を掴めなかった。そうした過去の苦い思い出を払拭し、5度目の正直で参入の権利を勝ち取れるか。勢いに乗る前橋育英の戦いぶりに注目が集まる。

▽高円宮杯U-18サッカーリーグ2021プレミアリーグプレーオフ(参入戦)
高円宮杯U-18サッカーリーグ2021プレミアリーグプレーオフ(参入戦)