国見が創成館との接戦制し、新人戦2年連続24回目の優勝!
国見 vs 創成館(写真=藤原裕久)
1月23日、長崎市総合運動公園陸上競技場で長崎県新人戦準決勝第1試合で、国見高校と創成館高校が対戦。雨の中で行われた県トップの実力校同士による一戦は、こう着戦の末に後半に1点をもぎとった国見が1対0で勝利した。
朝から降り続く雨のためピッチコンディションを警戒する両チームは、前半からリスクを抑えた慎重な立ち上がりでゲームをスタート。創成館が国見のエース北村一真に中尾龍之介をマークさせ中央からの攻撃を警戒すれば、国見は幸偉風、中村敦貴の両サイドを起点としたサイド攻撃を展開。セカンドボールを拾って積極的にシュートを放っていく。波多野太一・山崎雄貴の2トップに良い形でボールがおさまらない創成館だが、GKの濱村達也が好セーブでしのぐと、ショートカウンターで反撃。しかし国見も上田陽南太・川久保幸之介が体を張ってゴール前を死守し、前半は互いに決定打を欠いた0対0で折り返す。
後半に入ってもゲームは一進一退。この状況に国見は交代策で勝負を仕掛ける。後半9分に中山葵、後半21分には本来は主力ながら、コンディションの問題で途中起用となっている川添空良を投入。これで起点が増えた国見が少しずつボールを持って押し込んでいくと、中盤でボールを持った中山がスピードを生かしてエリア内に入ったところで倒されPKを奪取。このPKを利根悠理が決めて後半33分に国見が先制。その後も懸命にゴールを狙う創成館の攻撃をGK今村泰斗がシャットアウト。終盤に1点を奪った国見がライバル創成館に勝利した。
国見 vs 創成館(写真=藤原裕久)
「落ち着いてやればもっとできるのに・・という部分は多々あったんですが、出足だったり球際のところで負けなかったかなと。それが結果的に勝ちにつながったんだと思います。(決勝点のPKを獲得した)中山は、途中出場からでもスピードを生かして相手が嫌がるところに入っていけると思っていました」(国見高校 木藤健太監督)
雨の中での試合でリスク回避が優先されたため、どちらのチームにとっても本来のスタイルを見せられないシーンが多いゲームとなった。それでも互いにサッカーの原則となる走る、戦うという部分は徹底できていたが、積極的に交代策を活用した国見がチャンスをものにして勝利を決めた。大会中に木藤監督が「誰が交代で出ても力的に劣っていない」と語っていたベンチメンバーを含めた総合力の勝利と言えるだろう。敗れた創成館との間に大きな力差があったわけではないが、この日はわずかに国見の仕掛けが上回っており、それが勝敗をわけることになった。
勝った国見はこれで2年連続で九州新人戦へ進出。木藤健太監督は「強いチームになるには、まだまだ鍛えていくしかない。九州新人戦を戦える経験は大きい」と次のステージへ意識を向けていた。なお、今大会は前日に決勝戦の中止が発表されたため、準決勝に勝利した2校の同時優勝が決定されたため、この勝利で国見の2年連続24回目の優勝も決定した。
(文・写真=藤原裕久)
▽令和3年度長崎新人戦(新人選手権大会)
令和3年度長崎新人戦(新人選手権大会)