攻撃の起点となった紺野和也(武南)
鮮やかなゴールに怒涛の粘り!武南、プリンスリーグ関東まであと1勝!
武南は、選手権こそ埼玉県決勝トーナメント2回戦で敗退したものの、この参入戦にはS1リーグ三琇戦で西武台に勝利し出場を決めた。また、今年4月に行われた浦和カップでは浦和レッズユースに1対0で勝利するなど、粘り強いチーム。ユース選手権で4位となったジェフユナイテッド千葉U-18とどのように戦うのか注目が集まっていた。
前半4分、武南は右CKから紺野和也がクロスを上げ、渡邉宏輝が見事なダイレクトボレーを決め、先制に成功。チームに勇気を与える。27分、紺野のスルーパスに瀬川クーシャが抜け出し、右サイドの深い位置でパスを受ける。これを折り返した先に福田寛人が走り込み、シュートを決め武南が追加点を奪う。
対してジェフユナイテッド千葉U-18はボールをキープしながらも武南の献身的な守備を振り切れないまま、攻撃にスピード感を持たせられない。前半はそのまま武南の2点リードで終了する。
後半に入っても武南ペースは変わらず。
53分、ここまで右サイドで攻撃の起点となってきた紺野がスピードに乗ったまま右足を振り抜きゴール。本来得意の左足ではないゴールに、チームは大盛り上がり。いい流れで3対0と武南がリードを広げる。
しかしこのままでは終われないジェフユナイテッド千葉U-18は75分、CKから柳田が頭で合わせ1点を返すと足の止まってきた武南に対し、猛攻。細かいパスを繋ぎ武南のディフェンスを振り切り、さらに体力を奪う。83分にはカウンターから中上貴博が一気に右サイドをドリブルで駆け上がると、これを氣田亮真がくるりと反転しながらDF陣を振り切りゴール。ついに1点差とする。その後も波状攻撃を繰り出すジェフユナイテッド千葉U-18に対し、足をつらせながらも必死でくらいつく武南。この武南の粘りが勝ち、3対2のまま試合終了のホイッスルが競技場に響き渡ると、両チームの選手がグラウンドに倒れ込んだ。
試合後、武南の大山照人監督は「最後はひやひやだったけど、思っていたよりも守りやすかった」と振り返った。「自分たちは声と運動量で何とかするチーム。後半、運動量が無くなってからは力の差が露呈してきた。でも3年生がよく踏ん張ってくれました」と目を細め、選手達の粘りを称えた。
「プリンスリーグは上のレベル、という少し弱気な部分も選手達にはある。でも、どうせやるなら高いレベルでやりたいし、そこで戦うことで生徒たちも成長できる。とりあえず今は、逆境は気にしないでもう1ゲーム、やっていきたいですね」と次の決勝戦に向け意欲を見せた。
(文・写真 編集部)