2得点に絡んだ岡野だが「出来は相当酷かった」と振り返り、小室コーチも「物足りない。ボランチなのでもっと主導権を握らなきゃいけません。厳しく指導しないと」と語る。「守備でもっとボールを奪えるようにして、攻撃でももっとチャンスに絡みたい」と語る岡野。尚志の「ラオウ」は得点には絡んだものの、さらに上のレベルを目指して取り組む構えだ。

帝京安積 vs 尚志(写真=小林健志)

 前半は相手を押し込み、終盤1点差まで詰め寄った帝京安積の小田晃監督は「持ち味も出てチャンスはあったのですが、シュート4本は少ないです。もっと打っていたと思ったのですが、最後までいけていないということです」と相手を押し込みながらシュートまで持ち込めたのが、前半3本の渡辺のシュートと、後半1本横塚のシュートだけだったことを悔やんだ。「過去にも尚志相手にこういう試合はありました。後半良くなるチームじゃないと尚志を倒すチームにはなれません。うちの子たちは余裕が無くて、ファウルの多さにそれが表れていました。頑張っているからこそ良いゲームになるのですが、余裕を持ってプレーすることを求めないと同じ話になります」。尚志相手に良いゲームはさせてもらえるものの勝てない試合が多く、勝ちきるチームになるための部分を模索しようとしていた。

 それでも前から積極的にプレスをかけ、果敢にゴールを目指し、引いて守ることはしない。「昔は尚志相手にブロックをつくることもやりましたが、そのゲームだけやり方をかえるのは、やってきたことの否定になってしまいます」。あくまで攻撃的に戦い、福島のライバルである尚志を倒すべく、さらにチームの総合力に磨きをかける。

(文・写真=小林健志)

▽第21回東北高等学校新人サッカー選手権大会
第21回東北高等学校新人サッカー選手権大会