柏U-18のFW山本桜大(中央)は先制点を奪取(写真=多田哲平)

 後半も引き続き接戦が予想されたが、意外にも一方的な展開に。前橋育英が終始ボールを握り、柏U-18を押し込んだのだ。後半のシュート数は柏U-18の1本に対し、9本である。

 51分、52分には大久保が切り込んでペナルティエリアに進入。53分には徳永からMF9小池直矢(3年)へとつなぎ、最後はFW10高足善(3年)が痛烈なシュートを見舞う。56分には後半から出場のMF17山田皓生(3年)が、58分にも高足が際どいシュートを繰り出した。しかし、いずれもGK21ハーパータイガオリバー(2年)をはじめとした柏U-18の守備陣にストップされる。

 それでも前橋育英は選手を交代しながら攻め立てた。79分には再び山田皓生が、84分には途中出場のMF33堀川直人(3年)が、そして45+2分にも山田皓生がゴールを襲う。90+2分のCKではFW32山本颯太(3年)を狙ってMF19青柳龍次郎(3年)が鋭いパスを供給した。

 前橋育英の山田耕介監督は「スペースがないなかで、パワープレーよりも、切り裂いていける子を投入することを選択した」と、交代の意図を話す。その策がついに奏功したのが90+3分だった。

 敵陣左サイドでボールを受けた堀川がカットインから右足を一閃。鮮やかな弾道を描いたシュートがゴール右上に突き刺さった。

 それから間もなくして試合終了のホイッスル。前橋育英は堀川の劇的同点弾によって3連敗を免れた。

 一方で勝利を逃し、悔しさを滲ませたのは柏U-18陣営。酒井直樹監督は「暑さはもちろんあるが、3時間かけて来ているからか、足が止まってしまって最後で踏ん張り切れなかった。決定力も含めて精度を欠いてしまった」と話す。ただ「バスでの移動など、アウェーでの試合は、この年代においてすごく良い経験になる。将来の糧になってくれればいい」とポジティブに捉えた。

(文・写真=多田哲平)

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