高川学園 vs 米子北(写真=森田将義)

 試合が動いたのは後半開始直後。高川学園が自陣でのボールハントから素早く前に展開すると、井上のパスを受けた梅田が冷静にゴールの隅を突いた。ビハインドを負った米子北も後半に入ってからは攻撃が改善。「繋ぐ所は繋ぎ、蹴る際は狙いを決めて蹴る事を意識した。中盤で弾けるようになったのも、大きかった」と野田は口にする。鋭い仕掛けを見せた中井を中心に左から見せ場を作ると、17分には左を上がった福田が倒され、PA左外でFKを獲得。ゴール前に入れたクロスを小橋川が頭で合わせ、同点に追い付いた。以降も攻め続けたが、「ハーフタイムには絶対、流れが悪い時間帯も来るからとバックラインで話していた。自分と中島颯太を中心にきつい時間帯は、粘り強くチャレンジ&カバーを意識していた」という岡を中心とした高川学園の守りを崩せない。

 すると、35+2分には高川学園のクリアボールが前線の10番FW山本吟侍ヘ。反転から狙ったスルーパスが、ゴール前を抜け出した井上に渡ると、冷静にゴールネットを揺らし、勝負あり。直後にタイムアップを迎え、2019年から続く大会の連覇を3に伸ばした。

 連覇を途絶えさせなかった事と共に、この代にはタイトルの意味が大きい。今年の代は、1年時に中国のU-16リーグ「LIGA NOVA」で8チーム中、6位に終わったため、史上最弱と呼ばれてきた。当時、米子北と対戦した際も1-3で負けていたため、「絶対に負けられないとの気持ちがあった」(岡)。悔しさを晴らすのには成功したが、史上最弱の看板を降ろすには全国大会での活躍が欠かせない。今大会での課題と収穫を成長に変え、昨年度の選手権のように高川学園の名を全国に轟かせる。

(文・写真=森田将義)

▽第14回中国高等学校サッカー新人大会
第14回中国高等学校サッカー新人大会