作陽vs瀬戸内(写真=寺田弘幸)

 監督としても期する想いがある。

 「昨年は3年生がベースの実力のある選手たちで全国に出られなかった中で、そういう悔しさを知らない今年の子たちが、総体で負けた後にどう変わっていくか。伸びシロはあるので、しっかりと成長させていきたい。選手権に出ることでこの子たちの人生は大きく変わってくるんで、その場を踏ませたいなって思っています」

 選手権へ向けての第一歩となった瀬戸内戦は、相手のことをリスペクトもしてしっかりと準備して臨んだ。攻撃時は両サイドの高い位置にアタッカーが張り出してくる瀬戸内に対応して5バックにして守った作陽は、攻撃に移ると左ウイングの近藤圭のドリブル力を生かしてゴールに向かっていく。

 なかなかチャンスを仕留められなかった作陽だが、集中力もテンションも高いまま戦っていき、76分に松尾心晴が右サイドから上げたクロスを途中出場の岩田彪我が合わせて先制点をゲット。このリードを最後までハイテンションを維持して戦い抜き、作陽は悔しい経験を糧にして一回りたくましくなったところを見せた。

(文・写真=寺田弘幸)

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