今治東中等教育学校 vs 大手前高松(写真=森田将義)

 同点ゴールが生まれたのは、大荒の俊足を活かしての形。前半20分に相手のビルドアップに対して、大荒が高い位置でプレッシング。パスが乱れた所を9番FW加地誉志輝が拾って、無人のゴールに流し込んだ。追い付いた今治東は35分には右サイドから放ったシュートのこぼれ球を大荒が狙うなど、悪くない状態で前半を終えた。

 後半になってからも今治東のペースで試合は進んだ。後半18分には右サイドからゴール前に入ったボールを加地が狙ったが、シュートは惜しくもバー。こぼれ球を大荒が左足で狙ったが、ボールは枠を捉える事が出来ない。この日はチャンスを作りながら、活かせない場面が目立ち、谷謙吾監督は「タレント的に最後のゴール前を個人でグッと打開できる選手が出てこないと、なかなか得点には繋がらない。ただ回しているだけで、なぜ回しているか目的がまだ分かっていない」と指摘した。

 我慢の時間が続いた大手前高松にもチャンスが訪れ、30分には右サイドでのCKから、ファーの5番DF兵頭俊哉がヘッド。折り返しとなった所を15番DF横山功季が頭で合わせたが、ゴールの外となった。32分にも再びチャンスを作り、右サイド高い位置でルーズボールを拾った兵藤がゴール前にクロス。PA内で零れた所を9番FW大津晋太郎が決めて勝負あり。苦しい台所事情を乗り切った大手前高松が開幕戦を白星で飾った。

 Aチームでの試合経験が少ない選手が一丸となって掴み取った勝利には勝ちがある。「よく頑張ってくれました。普段とは違う選手とプレーしているのに攻撃は形として上手く行っていた。ちょっと言葉とマグネットを使ったぐらいなのに、良くフィットしていた。いないから頑張ろうとして空回りしているようにも見えた」。そう称えるのは川上監督だ。勝って終わりではなく、この日の経験を選手たちが今後に繋げる事が出来れば、チームとしての成長にも繋がっていく。長いリーグ戦を戦っていくために必要な選手層に繋がる意味でも、貴重な白星になったのは間違いない。

(文・写真=森田将義)

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