アビスパ福岡 U-18 vs 九州国際大付

　ともに決定機を奪えないままに進む試合が動いたのは24分。九国大付校が右サイドの深い位置でスローインを得ると、田中翔太がロングスローをゴール前へ。これをゴール前に上がっていた井上陽斗が頭で合わせて先制点を奪った。だが、この1点で目が覚めたのか、ここからアビスパU-18が前に出る時間が続く。同点のチャンスは30分。左サイドの深い位置からのFKに頭で合わせたのは北浜流星。しかし、これは無情にも右に外れた。その後もアビスパU-18が攻める時間が続いたがゴールはならず。九州国際大付が1点リードのまま前半を折り返した。

　早く追いつきたいアビスパU-18と、2点目を奪って勝負を決めたい九州国際大付だが、ともにボールを落ち着かせることができずに試合は膠着状態に。そんな中で最初にチャンスを迎えたのはアビスパU-18。左サイドを突破したバンヒューゾン春希のクロスが中央でフリーになっていた北浜流星へ。しかし左足で放ったシュートはゴールを捉えられなかった。

　一方の九州国際大付は次第に落ち着きを取り戻すと、前半同様に前への推進力と球際の強さをじわじわと発揮。そして時間の経過とともにアビスパ福岡U-18を押し込む時間が増えていく。やがて試合は九州国際大付が一方的に攻め込む展開に。アビスパU-18は粘り強く守るものの、ボールを蹴りだすのが精いっぱい。九州国際大付の連続攻撃を浴び続ける。そして21分。九州国際大付は右CKのチャンスをヘディングでつないで最後は途中交代出場の小林豪王が頭で押し込んで、勝利を大きく引き寄せる2点目を奪った。

　このままでは終われないアビスパU-18は、72分に運動量豊富な三城怜虎と、縦のスピードを持ち味にする入江優仁を投入して活路を探るもチャンスは生まれず。後半アディショナルタイムには北浜流星の突破からPKを得たが、これは九州国際大付GK與田和也のファインセーブに阻まれた。そしてスコアは動かないままに試合終了のホイッスル。九州国際大付が今シーズン、プリンスリーグ九州初勝利を手にした。敗れたアビスパ福岡 U-18は次節・日章学園戦で初勝利を目指す。

(文・写真＝中倉一志)