磐田東の守備陣は静岡学園の攻撃を見事にシャットアウトした(写真=多田哲平)

 最終盤の80+4分にはFKでこの日最大のピンチを迎えながらも、立て続けのシュートを防ぎ切り、ついに前後半の80分をシャットアウトに成功してみせた。

 PK戦に入ると、1本目でいきなり失敗した相手に対し、ひとり目のキッカー谷野がきっちりと決めて優位に立つと、相手の3人目と4人目のキックをGK岡村が連続ストップ。そして4人目の森が決めた時点で3-1となり勝負あり。

 耐え忍んでPK戦に持ち込む――「絶対王者に勝つにはこれしかなかった」。磐田東の山田智章監督の徹底した王者対策が見事に奏功した。

 静岡Aリーグ(県1部)所属ながら、3回戦で常葉橘、準々決勝で浜松開誠館と、いずれもプリンスリーグ東海の難敵を下し、この準決勝では絶対王者を陥落させた。磐田東の快進撃はまだまだ続く。決勝では、静岡代表の座をかけて、プリンスリーグ東海で首位に位置する藤枝明誠と対戦する。

 一方で敗れた静岡学園も、その技術力はさすがだったが、あと一歩及ばなかった。川口修監督は「相手の守備がまず素晴らしかったのと、うちにはそれをこじ開ける力がなかった。引かれた相手にどうするかを考えさせられる試合だった」と振り返った。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選
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