ゴールに歓喜する前橋育英イレブン(写真=会田健司)

 後半に入ると前橋育英が攻勢に出る。すると37分、左サイドから細かくパスをつなぎ中央へ。パスがズレてロストした瞬間、MF17山田皓生(3年)が倒れこみながらもボールを刈り取ると、起き上がりざまにそのまま右足シュート。このシュートがDFに当たりコースを変えてゴールに収まった。

 試合を振り出しに戻し、さらに勝ち越しを狙う前橋育英は、MF19青柳龍次郎(3年)の強烈左足ミドルはわずかに外れるも51分、ボックス内右でパスを受けた山田がダイレクトで右足を振りぬくと、シュートはまたもやDFに当たりディフレクションし、逆サイドネットに突き刺さった。山田の積極的な姿勢がチームを逆転に導いた。

精度の高い左足とロングスローで矢板中央の攻撃の起点となったDF5木村匠汰(写真=会田健司)

 これで完全にペースを掴んだ前橋育英は怒涛の攻撃を仕掛ける。

 しかし、MF8大久保帆人(3年)の決定機は2連続でポストに阻まれ、DF11井上駿也真(3年)が見事なドリブル突破からシュートを放つも、これも左ポストに弾かれる。

 前橋育英がとどめを刺せないまま試合は終盤に突入。

 矢板中央は木村の精度の高い左足とロングスローで中盤を省略。最後までゴール前にボールを送り続ける。しかし、前橋育英もDF4齋藤駿(3年)を中心にゴールを死守。

 このまま試合は終了し、前橋育英が矢板中央を2-1で下した。これで準決勝に進出した前橋育英は29日に米子北と対戦する。

 

(文・写真=会田健司)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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