福智 vs 福大若葉(写真=中倉一志)

 結局、両チームが放ったシュートは福大若葉の1本と福智の2本。全体としては福大若葉が押し込んだ印象が残るが、局面でぶつかり合い、お互いの特長を潰し合うような展開の試合は、ボールが落ち着かずにプレーが途切れることが多く、両チームともに大きなチャンスを迎えることなく0-0で終了。勝敗の行方は後半へと持ち越された。

 そんな試合が後半開始直後に動いた。後半2分、福大若葉が先制点を奪う。決めたのは後半から登場した内田愛輝。ペナルティエリアの左角から右足を一閃。対角線上に放たれた豪快なミドルシュートがゴールネットを大きく揺らした。これで一気に福大若葉が流れを引き寄せるかに思われたが、そうはならないのがサッカーというスポーツ。むしろ、この1点で福智が目を覚ました。

 福大の出足の鋭さに悩まされていた福智だが、福大若葉のプレスが弱まったこともあり、中盤でボールのタメができるようになった福智は、持ち味のサイドアタックから福大若葉ゴールに迫るシーンが増える。一方の福大若葉の攻撃の起点はポストプレー。そこから右サイドにボールを配りグイグイと福智ゴールへと迫る。お互いを潰し合うような前半から、持ち味を発揮してゴールに迫る攻め合いへ。勝敗の行方を握る次のゴールを求めて激しい攻防が続く。

 そんな展開に終止符を打ったのは福大若葉のセットプレーだった。高さとフィジカルで上回る福大若葉は後半26分、CKの流れからペナルティエリア内にこぼれたボールを渡邉紘己が蹴り込んで2点目を奪うと、続く後半29分にはまったく同じ展開から合戸晴矢が蹴り込んで3点目。最後まで諦めずにゴールを目指す福智の反撃を0に抑えて4回戦進出を決めた。

(文・写真=中倉一志)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選
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