九州国際大付 vs 福大若葉(写真=中倉一志)
そして立ち上がりの主導権争いを経て、九国大付がコントロールする形で試合が進んでいく。キャプテン米山凛を中心とした安定感のある最終ラインと、ピッチを大きく、そして比較的ゆったりとしたリズムでボールを動かすのが九国大付の特長。前線では個人技に長けた濱田大夢がアクセントになって攻撃のリズムを作り出す。試合はハーフコートゲームのような形で進んで行く。
それでも前半をスコアレスで折り返した福大若葉は、後半開始から重松陽斗、合戸晴矢、渡邊陽平の3人を投入。いきなり合戸晴矢がポストを叩く強烈なシュートを放ち、反撃の姿勢を見せる。だが、ゆったりとしたリズムから、ここぞというところでスピードアップする九国大付の流れを変えるには至らず。なんとかスコアレスでPK戦へと持ち込んだが、自分たちの特長を表現することができないままにPK戦の末に敗れ、準々決勝で姿を消すことになった。
そして九国大付。延長戦を含めて、立ち上がりの主導権争い以外では、ほとんどの時間をコントロールしていたが、22本のシュートを打ちながら得点に結びつかなかった試合は、決して簡単なものではなかったと言える。それでも、試合を通して慌てる素振りを見せることなく安定した戦いを続けた。派手さはないが確かな力を持ったチーム。そういう印象が残った。
(文・写真=中倉一志)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)福岡予選
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