攻撃陣は自由闊達。チーム最多シュート5本を放ち、3アシストのFW10和田、前線で起点となるや重戦車のように猛然と仕掛け、1ゴール1アシストのFW9岡、DF11川口太誠が良質なクロスを配球し続けるなど、やりたい放題。守備はラインをあげた4河合陸玖・5長谷川智紀の両センターバックが空中戦でも地上戦でも優位に立ち、ほぼなにもさせなかった。その担保があってこその攻撃となった。

 試合序盤、川口北の前を向かせない守備に手を焼いたが、なんのその。「シュートで終わって帰ってくる」との指示通り、西武台のシュート数は17本。川口北をわずか1本に抑えるなど、理想的な試合展開となった。

 そのなか、こんなシーンがあった。

 2-0で折り返したハーフタイムの際、「次の1点、次の3点目が大事」と伝えた西武台・守屋保監督。さらに身近な話し、たとえ話しを駆使しながら「100%で出しきることはかっこよさにつながっていく。みんな、そう思わないか?」と問いかけ、イレブンの気持ちをくすぐり、やる気を出させた。

 ミーティングで繰り返された、戦う。100%やり切る。声を出す。かっこよく、盤石の西武台。準々決勝で立教新座と対戦する。

(文・写真=佐藤亮太)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選