湘南工大附の選手たちは勝利への気迫を見せた(写真=佐藤亮太)
チーム全体、前への気持ちが終始、プレーに投影されていた。
ただ室井監督によれば、前日練習の雰囲気はどこか淡々としており、多少の物足りなさがあったようだが、選手たちの全国へ気持ちは本物だった。
勝因は前への気持ちだけでなかった。1点目を挙げたDF3小川。自らの特長を打点の高さ、球際の強さと話すように地上でも空中でも壁のようにことごとく、はじき返したことは大きかった。
実はこの日の試合、いつもCBでコンビを組む相棒DF三浦翔遼人が体調不良により欠場した。
室井監督いわく、この三浦は、ベンチが指示を出す前に、ピッチ内の選手に指示を出すほど気が配れる守備の要。三浦の代わりにその役を担ったのが小川だった。多少の不安はあったろうが「全国大会に連れて行ってくれ」との三浦からのLINEに奮起した小川。見事、結果で応えた。
「いつもより1.2倍、徹底していこう」。この呼びかけが終盤、桐蔭学園の猛攻をしのぐ、執拗な攻撃的守備の呼び水となった。
際どく1点差を制した湘南工大附。「神奈川で一番、ボールを動かせるチームにしたい」と室井監督の下、決勝に、そして全国に駒を進めた。
(文・写真=佐藤亮太)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
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