湘南工大附は神奈川の頂点に立った(写真=佐藤亮太)
そのなか、目立ったのはCK、PKと2点に関与した湘南工大附FW10中山。準決勝の桐蔭学園戦と同様、攻守は中山にはじまり、中山に終わると言っていいほど、ボールが集まり、捌かれていた。終盤、押し込まれた時間帯では、この10番が何度もカウンターの起点となり、チームを助けた。
「意識しているのはボールを失わないこと」と話すFW中山は「DFと中盤のあいだで常にフリーになれるように考えている。自分はスピードのあるタイプでも身体能力が高いわけでもない。その分、技術でカバーしなければ、上にはいけない」と特長を心得ている。そのFW中山を室井雅志監督は「独特の感覚を持っており、スプリントできる選手」と評価している。
湘南工大附のサッカーはある程度の設定はあるなか、状況に応じ、選手たちの判断で布陣やプレーを変られる自立と自由度の高さが特長。そのサッカーにあってFW中山の技術の正確性、状況判断の正しさはチームの核となる。
2年生ながら10番を背負う理由、チーム内の信頼の高さがうかがえる。ただ室井監督は「もう少しゴールにむかう姿勢を見せてくれれば」と注文を忘れない。
34大会ぶりの全国総体出場を決めた湘南工大附。10番FW中山陽輝が全国区の選手になる。
(文・写真=佐藤亮太)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
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