暁星のFW北村聖(左)は鋭い突破を見せた(写真=多田哲平)

 この3点目を奪ってからは、さらなる精神的余裕が生まれ完全にゲームを掌握。MF11小林真翔(3年)、宮崎、FW9岩野隆斗(3年)など前線のテクニシャンが次々に遊び心溢れるドリブルで追加点を狙っていった。

 メンタルで上回った印象の東京実業はその後、29分にカウンターからゴールを許し、32分にはFKで2点目を献上するのだが、それでも選手たちは焦らなかった。2点目を決められた直後、ピッチで円陣を組んで「落ち着こう」と声を掛け合い、すぐさま冷静さを取り戻す。

 これで3点目を与えずリードを守り切り、見事に勝利。1次トーナメント突破を決めた。

 東京実業は2次トーナメントの1回戦で明星学園と対戦する。

 もっとも暁星も攻守において強度の高いプレーを披露した。とりわけFW23太田福蔵(3年)のスピード溢れる突破は鋭く、後半29分のFW11北村聖(3年)のゴールを生んだのも、この太田のドリブルだった。またMF18森渚恩(3年)が決めた約40メートルの長距離FK弾も見事だった。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選