都立千早もDF鈴木遼太郎を中心によく戦った(写真=多田哲平)

 後半に入っても、都立城東の攻撃の手が緩むことはなかった。

 6分に、CKから小林がこの日2点目を挙げて、チームに6点目をもたらすと、12分にはまたも小林が右サイドから痛烈なミドルシュートを逆サイドネットに突き刺した。小林は右SBながらハットトリックを達成。

 7点の大幅な点差をつけたあとも、都立城東は「油断せず行こう」「丁寧にやろう」と集中を切らさなかった。そうした声を率先して張り上げ、チームをまとめていたのが、キャプテンの金子だった。

 そして27分には左サイドのクロスから途中出場のFW15芦澤道徳(2年)がヘディングを叩き込むと、その芦澤が38分に右サイドを駆け上がってシュートを決め、さらに加点に成功する。

 2回戦の都立本所戦では結果的には7-4だったものの一時相手の守備を打ち破れずに苦しんだ。それでも都立城東はこの日、テンポよく得点を重ね、前後半合わせて9つのゴールを奪ってみせた。

 とはいえ都立千早も大差をつけられながらも最後まで走り抜いた。CBの一角を務めたFW15藤田楓貴(2年)の力強いディフェンス、FW9市川玲於(1年)とMF11吉村弥真士(2年)の献身的なチェイス、そして最後まで大声で味方を鼓舞し続けたDF3鈴木遼太郎(3年)の姿勢は素晴らしかった。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
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