【フォトギャラリー】川口東 vs 松山

 そろって8月の1次予選を勝ち抜いた川口東と松山の一戦は、松山が2-1で逆転勝ちし、15日の3回戦で優勝候補の武南と対戦する。

 システムはともに4-4-2。立ち上がりからほぼ互角の展開が続き、一進一退の攻防を繰り広げた。

 松山は原口拓巳と福原璃斗(ともに3年)の両ボランチを経由してから、左サイドMF佐久間冴旺、右サイドMF細井奏汰(ともに3年)が、エネルギッシュに動き回った。

 川口東はともに昨年からのレギュラーであるボランチの田嶋詩琉、左サイドMF水野龍輝(ともに3年)が起点となり、長短のボールを使って縦に速い攻撃を仕掛けた。

松山が逆転勝ちを収める(写真=河野正)

 そんな川口東が前半13分に先制する。水野の良質の左クロスから右サイドMF諸田悠希(3年)が、きれいに右足で突き刺した。

 ボール支配率でやや上回り、押し気味に試合を進めていた松山には痛い失点となったが、すかさずこの4分後に追い付いた。FW松本颯之介(3年)が、福原の蹴ったFKを右足で合わせて同点弾が決めた。

 1次予選のK組代表決定戦で、前回大会ベスト8の越谷西を延長の末1-0で下し、5年ぶりに決勝トーナメントに進んだが、この持久戦で決勝点を決めたのも松本だ。

 決勝ゴールは鮮やかなミドルシュートだった。前半36分、佐久間が中央やや左、23メートル付近から左足を振り抜くと、豪快な中距離弾がネットを揺すった。

 後半は攻撃的な川口東がやや優勢だったが、両チームとも決定的な形はほとんど作れず、松山が2-1で逃げ切った。川口東は昨年、飯能南にPK戦で敗れ、2年連続で公立勢対決に屈した。

松山ベンチ(写真=河野正)

 石井博監督から今春引き継いだ卒業生でもある遠藤司監督は、「今年は上手な選手こそいませんが、全員で走って跳んで泥臭く頑張れるチームです」と、5年ぶりに1次予選を突破し、決勝トーナメントでも1勝を挙げた喜びが言葉と表情に表れた。

 同監督は初任地の大宮南で8年コーチを務め、「磨き上げるものを学んだ」と言い、3年前に母校に赴任。高い意識でチームを引っ張る主将のDF田口知弥(3年)を軸に、戦えるチームを編成した。

 今年は学校創立100周年。遠藤監督は高校2年の第82回大会で8強入りしたが、準々決勝で武南に敗れた。2回戦の相手は奇しくも武南。あの時の雪辱ですね、と水を向けると「いやいや」と大笑いし、「うちらしく走り抜き、粘り強く戦うだけです」と述べたが、記念の年に19年前のリベンジなるか――。                        

(文・写真=河野正)

▽第101回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第101回全国高校サッカー選手権埼玉予選