和泉キャプテンFW10伊藤一渡(写真=会田健司)
和泉が見事にグループリーグを無敗で突破した。
和泉はインターハイ大阪予選では5回戦まで勝ち進んだ。しかしそこで3年生が引退し、ほとんどがそれまで試合に出ていなかったメンバーで挑んだ選手権は初戦で敗退。しかも今大会前には主力にケガ人が出たことで陣容変更も余儀なくされた。
しかし普段はトップ下の伊藤はFWに、サイドバックの小椋は一列前に上がり、慣れないポジションで出場した二人が絡んでの決勝点だった。
「この子たちは背も大きくないし、上手くもないんですが、"勝つ為にはどうすればいいか"を自分たちで考えながらトレーニングや練習試合で一つ一つやってきました。彼らはケガ人が出た中でも修正することが出来る"修正力"を持っているので、初戦は引き分けてしまいましたがそこから修正してくれました」(石垣昌幸監督)
選手権初戦敗退から始まった新チームだが持ち前の修正力で前進してきた。キャプテンに任命された伊藤も「はじめはチームをまとめるのが大変だったんですが、選手権で負けてからより一層"もっと勝ちたい!もっと上に行きたい!"となってそこからチームが一つにまとまっていきました。選手権まではフワフワしていたんですが、そこからは練習の雰囲気も変わりました」と明かす。
キャプテンの重責に悩んだこともあったという伊藤だが、選手権がきっかけとなり"勝つ為"にフォーカスすることで迷いも消えた。そして「行けるところまで上に行きたい」と今大会での躍進に意欲をみせる。
難しいグループを首位で突破した和泉は「おくがましいですがベスト8以上を目指したい」(石垣監督)とさらに上を目指し決勝トーナメントに挑む。
(文・写真=会田健司)