後半に入ってもお互いの高い集中力は途切れない。前半と同様、目まぐるしい展開が続く。多摩大目黒がDFをかいくぐり惜しいシュートを放てば、都立東久留米総合もゴール枠を捉えた強烈なシュートを放つもGK正面。いつゴールが割られてもおかしくない展開の中、徹底した攻守の切り替えへの意識が両チームとも高いことがうかがえる。
そして82分、ついに均衡が破られる。右サイドでボールを持った11番・辻川嵩人がドリブルで中央へ。さらにドリブルで左へ切り替えしDFをかわしてミドルシュート。都立東久留米総合ゴールに突き刺さる先制点を手にする。ベンチも喜びを爆発させるが、再度集中しなおせとピッチ内から声が飛ぶ。
直後、都立東久留米総合13番が右から中に切り込んでシュート。これもGKがナイスセーブ。浮かれたところ、隙は見せないと言わんばかりに都立東久留米総合攻撃陣に立ちはだかる。
その後も、ボールを奪い、きっちりと時間を使って攻め込み続ける多摩大目黒。
それに対し、焦りの色が見える都立東久留米総合。それまで見せていた積極性がやや影をひそめ、ボールが足元に収まらない。それでも、なんとか前を向き続け、ゴールを目指していく。
そうして90分が終了。アディショナルタイムも終わりに近づいた5分。都立東久留米総合はゴール脇の左サイド、ほとんど角度の無いところから14番がシュートを放つ。これが多摩大目黒ゴール右端ギリギリにイン。起死回生の同点ゴールとなる。そして直後、試合終了のホイッスルが鳴った。
劇的な同点ゴールに沸く都立東久留米総合。対して、信じられないという風に呆然と座り込む多摩大目黒イレブン。あと一歩で逃した勝利に涙を見せる選手もいたが、観客席からは惜しみない拍手が送られた。
結果、両チーム勝ち点1ずつを獲得。さすが首位決戦という見ごたえのある熱戦を見せた都立東久留米総合と多摩大目黒が、上位をがっちりとキープした。