長崎日大 vs 長崎海星(写真=藤原裕久)
すると前半16分、右サイドでボールを持ち上がった松尾咲のボールをゴール前で受けた友永肇が切り替えしてシュート。これが決まって長崎日大が先制に成功する。この後も右からは山本の突破、中央では内山柊真のスキルを生かして攻める長崎日大に対して、海星は高西蒼太を投入して左サイドバックの守備を整備。さらに左サイドバックでプレーしていた西山陸を前目に上げてサイドでの押し返しを狙っていくが、33分に須田隼太とGKが1対1になったシーンは長崎日大GK田代祥がストップし、長崎日大リードのままで前半を折り返す。
後半、海星は前線に攻撃を展開するスピードを速めて仕掛けていくが、長崎日大も球際での守備強度を落とすことなく対抗。素早い寄せを維持して海星にゲームコントロールさせずに試合を進めていく。打開を狙う海星は、51分に上川祐太朗、60分に橋本朝陽を投入していくがゴール前のチャンスシーンで決定力を欠いたこともありノーゴール。そのまま試合は1-0で終了し、長崎日大が3年連続で準決勝へ進出した。
長崎日大は今大会、長くチームを率いてきた亀田陽司氏ではなく、昨年までコーチを務めていた坂本信行氏が監督として指揮。今年度で長崎日大を退職し、新年度からは他県で指導を行う亀田氏はコーチとして試合を見守った。その目の前で長崎日大イレブンは、安定した守備の強度と意識を披露。個のスキルや攻撃に関しては互角の相手であった海星を相手に、最後まで失点を許さなかった。昨年に亡くなった長崎総合科学大学付属高校の小嶺忠敏監督とともに、長く長崎高校サッカー界をけん引した亀田前監督は、そんなチームの姿に試合後「あまり危ないシーンを作らせなかった」と満足そうな笑みを浮かべていた。
(文・写真=藤原裕久)
▽令和4年度長崎新人戦(新人選手権大会)
令和4年度長崎新人戦(新人選手権大会)