一方で「去年の僕では、全国のレベルでの足元にも及ばないし、足を引っ張ってしまうだけ。選手権でも自分の力の無さが悔しかった」と冷静な自己分析も欠かさない。「球際を強く戦うこと、ゴールへ向かう力…率先してチームを引っ張れるように、もっと成長したい」と意欲を燃やしている。複数ポジションをこなすことができるが、本人が最も力を発揮できるとイメージするのはボランチ。「ボールを触って試合を作り、いろんなことを全体へ発信していくことも欠かさない」のが理想像だ。

 新チームでは選手入場の先頭に立ち、コイントスにも向かうなど、ゲームキャプテンを務めた。まだ主将となるかどうか正式決定はしていないためにキャプテンマークは巻いていないが、本人はチームの先頭に立つことを前向きにとらえている。その思いの根底にあるのは、チームの力になって、再び全国の舞台へ立つこと、そして昨年度の大会で叶わなかった頂点に輝きたいという強い気持ちだ。

 「準優勝は、他の順位よりも悔しい結果です。今年こそ日本一になりたいという思いはすごく強い。全員で得点を取りに行く、全員で必死に守備をする。最後まで走り抜けれるチームになりたいです」。

 偉大な先輩たちの後を受け継ぐ苦労はあるだろうが、間近で見てきたからこそ学べたこともある。ピッチ内外においてそれらを実践することで「日本一を目指す」という言葉に説得力が伴う、そんなチーム作りへの第一歩を踏み出した。

(文・写真=雨堤俊祐)

▽令和4年度京都新人戦(新人選手権大会)
令和4年度京都新人戦(新人選手権大会)