興國イレブン(写真=会田健司)

 長準喜の連続ゴールで2点をリードした昌平だったが、前半終了間際に興國に右サイドを破られ、MF20上原万生のゴールで1点を返されると、59分にはFW9河合健吾に左サイドを突破され失点。2点のリードを守り切ることが出来ずにPK戦で辛くも勝利した。

 勝利したものの、「今シーズン一番ダメだったかもしれない」と藤島崇之監督が振り返ったように、会心の試合とはいかなかった昌平。他チームとは違い、独特な攻撃を仕掛けてくる興國に守備陣が後手を踏んでしまい、最後まで修正が出来なかった印象だ。

 しかし、FC東京に進んだMF荒井悠汰から背番号10を受け継いだMF長準喜の2ゴールは見事のひと言。「あと2点取れる場面はあった」と藤島監督は手厳しいが、ポジションを前に移しゴールへの意欲が増した"新10番"のチームを救う仕事ぶりは今後に向けても好材料。

 一方惜しくもPKで敗れた興國はMF千葉大舞とMF宮原勇太の2枚看板が不在の中でも攻撃陣が2ゴールを決め、層の厚さを感じさせた。特に1点目を決めたMF上原のゴールに向かう姿勢と、2点目を決めたFW河合のキレのあるドリブルは圧巻だった。

 (文・写真=会田健司)

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