立正大淞南のFW永澤叶太は先制点を決めた(写真=多田哲平)

 しかし64分に勝ち越し。ペナルティアーク内で得たFKを沖村がDFに当てながらも見事に決めてみせた。このゴールが決勝点となり3-2で東山が勝利。前年度王者の前橋育英(群馬)が待つ2回戦へと駒を進めた。

 東山の福重良一監督は「『去年のチームと自分たちは違う』という方向性で、今大会では特に相手の嫌がることをやり続けようと、そういう話をしました。失点しましたけど、なんとか平常心でできたかな」と振り返った。

 また前回王者の前橋育英との2回戦について「ハーフウェーラインを超えたら御の字ですね。今日のような失点をしていたら取り返しがつかない結果になってしまうので、しっかり守りたい。ただ前橋育英さんが何をされたら嫌なのかなというのを突き詰めていく。もちろん思い通りにならないことばかりなので、それを我慢しながら、秋冬につながるためにトライしたい」と語った。

 一方で、惜しくも及ばなかった立正大淞南も堂々たる戦いを披露。永澤とMF15三島拓人(2年)は鋭い飛び出しで相手の脅威となり、MF13升井泰雅(3年)とMF3三島典征(2年)の2ボランチは攻守に渡って貢献。GK1塚田喜心(3年)は何度も好セーブを見せた。

 今年度から立正大淞南を率いる野尻豪監督は「練習してきたことが出せたかと言えば出せなかった。メンバーに入っていない3年生を連れてきていましたし、総監督の南健司先生のツテで北海高校さんにも応援に参加していただいたので、勝ちたかったのはもちろんですけど、それを選手たちがどう感じて、冬に向けてどう変わるかですね」とさらなる成長を期した。

(文・写真=多田哲平)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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