2点目を挙げた市立船橋MF森駿人(写真=森田将義)

 後半に入って印象的だったのは郡司の動き。前半もゴールシーン以外でも、ドリブルからのチャンスメークを披露していたが、残り35分を切ってからも動きは落ちない。「後半は1点差でいつ点を獲られてもおかしくない状態が続いていた。エースの仕事はチームを勝たさなければいけない。点を獲るだけでなくて、アシストなどで色々走らなければいけないと思ってプレーしていました」。後半6分には森からのクロスを受けてシュート。続く7分にはカウンターから、ゴールを狙うなど自由自在にスペースへと飛び出しチャンスを作っていく。

 貢献は攻撃だけに留まらない。「3戦目でみんなが疲れている、自分は前の2試合とも走れていなかった。それで悔しかったので、走らなければいけないと思い、守備でも頑張りました」。そう振り返る郡司ら前の選手が高い位置でプレスをかけると、守備力に長けたMF峯野倖(2年)らがセカンドボールを拾って二次攻撃、三次攻撃を展開し、相手エリアでの時間を作った。2度目の歓喜が生まれたのは22分。右サイドからDF佐藤凛音(3年)が放り込んだロングスローのこぼれ球を森がダイレクトで合わせると、このボールがゴールに吸い込まれて勝負あり。

 「0-1とか、0-2はある程度想定していた。良い時間帯が後半の5分ぐらいあったし、最後の5分、10分で獲りに行った時に獲れていない所が違いだと感じました」(富居徹雄監督)。「2点差だったけど、力の差は結構感じている。イチフナは力強さというか、パワーもありましたし、自分たちはホームで凄い応援をして貰っていたのですが、勝負強さというか1個1個の球際で強さがあっても負けるべくして負けたかなと思っています」(DF2庄子羽琉、3年)。旭川実業の監督、選手が声を揃えたように勝負強さを見せつけた市立船橋が2-0で勝利し、ベスト8に名乗りを挙げた。

(文・写真=森田将義)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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